ペタ。

スットーン。

触ったならそんな感じ、見たならそんな感じ。
ああ、小学4年生ってやだな。




・・・・・・さっきから、何やってるんだ・・・?」
じとっと鵺が見てくる方向にいるあたしは、両手で胸を触っている。
ツルンペッタンな胸で、ちょっとだけ泣きそうだ。

「・・・いつになったら、シムカちゃんみたい・・・とまではいかなくても、大きくなるのかなぁって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
鵺は何だか、凄く変な顔で押し黙ってしまった。


さすがに、今大きくなると、ちょっと気持ち悪いけど、大人になったら成長するのかな。
成長しなくて、貧乳のままだったらどうしようっ!

あ、でも最近って豊胸手術とかもあるらしいけど、でも、やるのは、ちょっと怖い気がするし、なんかやだ。


「・・・鵺?」

いつまで経っても、変な顔のまま押し黙っている鵺の方を見た。
一体どうしたんだろうってくらいに、何も喋らずに、何だか唇を噛み締めて、こっちを見てくる。

「・・・俺に・・・」
「?」
「俺に聞いてどうする・・・っ!」
ダラダラと汗を流しながら、目を逸らされた。

そういえば、シムカちゃんが、男の子には女の子の話題はナイーブになるのよ☆って言ってた気がする。

忘れてたけど。


・・・それよりも、鵺のタイプは、どんなのなんだろう。
顔、は、今更どうしようもないとしても、やっぱり、体形って好みが分かれるよね。

特に、これから先が分からないわけだし。


「鵺はさ〜」
「あ?」

あたしが声をかけると、鵺はやっと話題が変わったか・・・みたいな顔で、安心したように息を吐いた。

うん、ごめん、鵺。



「貧乳派?巨乳派?中間派?」

「・・・・・・・・・・・・だから、俺に聞いてどうするんだよっ・・・!」


「えー?参考参考」
「参考って・・・、彼氏とかでも出来たのかっ!?いや、まだそれは早ぇ!!つーか俺がゆるさねぇっ!!」

「・・・・親ばか」
鈍感。

参考っていうか、一番聞きたいんですけど。


「一応あたしも女の子なんだから、気にしたりするの!」
「っていわれても、なぁ・・・」

「は!ひょっとして、歳をとっても、一切成長しない、まっ平らな男の子の胸がすきとかっ!?」
「人をホ○扱いするんじゃねぇ!!」

ジョークだって、ジョーク。


それだったら、一生立ち直れないし・・・。


「そーだな・・・デカすぎても、あれだし、人並みにあればいいんじゃねぇのか?」
「・・・ふーん」

「って、何だよ、その目は」

「いや、あんまり面白い回答じゃなくて」
「ぅおいっ!!」
シラーっとした目で見つめると、鵺が「お前が聞いたんだろ〜!」と頬を抓ってくる。

巨乳とかじゃなくて良かった・・・とこっそり、安心した。







( 根性で、乗り越えてみせるから、あたしのことを待っていてっ! )