「鵺様ぁあああああ!!!」
「出やがったぁああああああ!!!!」



あはははは〜!と喜色満面の顔で飛びつこうとしてくるの笑顔に、鵺は顔を青ざめた。
制服に身を包み、A・Tを右手に持つ少女、は軽やかに鵺に向かって飛び、そして鵺の鉄拳によって沈んだ。


「・・・ぐふ、ナイスパンチです・・・暴力的な鵺様も大好きです・・・・・・」
くへへ、あはは・・・と何だか嬉しそうにしているに溜息を吐いた。

そうして、
「そういえば鵺様!今日はどうしたんですか!?」


3秒も立たずに復活するに、鵺はなれたように溜息を吐く。

「調律は今日じゃなかったですよね・・・?・・・・・・・・はっ!あたしに逢いに来てくださったんですねっ!それならそうと照れずにはっきり言ってくだされ」
「巻上に呼ばれたんだよ・・・まったく、一体何の用なんだか」

暴走して叫ぶになれたように溜息を吐いた。
すると、は目と口を一杯に開いて、それから絶望したように叫んだ。


「ま、まま、巻上先生まで、鵺様をっ!」
「何誤解してんだ、おい」

ゴスリ、と彼の拳は遠慮なくの頭を地へと落とす。
「えう・・・。じゃあ、それ以外なんだっていうんですか」
「まずその可能性は浮かばねぇよ。どうせ何か面倒な用事だろ」



ううっと涙を流すに、鵺は呆れたように溜息を吐いた。
何だかもう、の暴走っぷりには慣れてしまった。



「鵺様、最近冷たいですよね・・・はっ!これぞ鵺様の鬼畜攻めっ!?」
あれ?ってことはあたしMになっちゃうんですか!?

どうしましょう!と叫ぶに、鵺がどんどんと溜まっていくイライラをそのままに叫んだ。

「誰がSだ馬鹿っ!攻めてねぇし!」


ぜーはーと既に息は上がっていた。
毎回と会話するのは疲れるというのに・・・。


「(畜生、なんか会話しないのはしないで、ムカつく)」
こっそりと内心で本音を呟いた。




よよよ、と床に座り込んでいたがゆっくりと立ち上がって、決意を改めるように拳を握った。

「でも、大丈夫ですからね!鵺様!」
「は?」
突然叫んだに首を傾げる。


「鵺様が鬼畜攻めだろうとSだろうと、全然平気ですし、むしろそれを頑張ってプラス要因に変えて奈々ちゃんにお伝えしますからっ!」

「・・・あ?」
ちょっとまて。


ヒートアップしていく会話に、鵺は首を傾げる。
何故、奈々が関係するのだろう。というか。

「(何か勘違いしてねぇか、こいつ)」
がニッコリと笑った。


「鵺様!頑張って奈々ちゃんとのこと応援しますからねっ!」
予感、的中。


それじゃぁ!と手を振って走っていくに呆然としながらも、鵺は盛大に心の中で叫んだ。




「(何を一体どう考えたらっ―――!)」





そうなるんだよ、馬鹿っ!



( あれだけ好きだって言ってくれるくせに、何で他人との間を応援するんだよ! )