おちてる。

あ、あたし死ぬんだなぁ、なんて思いながら、とにかくおちていた。
何ていったって、かなり高いところからおちてるんだから、死なないわけがない。
というか、死なないほうが驚きだ。


何だか下に見える街並みは酷く古い。
歴史記念館とか、そのへんかな。

とにかく、あたしはお空の上から下に向かっておちていて、このまま行くと、大きな建物にどっかんだ。
(弁償しなきゃいけないかな・・・って、あたし死ぬんだから関係ないか)

でも、まだサンデー毛利の15回目のプレイ途中だったんだけどなぁ。

くよくよ考えちゃダメだ、あたし。

どっちにしろ死んじゃったら、バサラ最高ー!!っていう感情も、全部全部なくなっちゃうんだ。
そうこうしているうちに、すぐ近くに建物が近づいた。


「うう、年貢の納め時かな・・・」
ぎゅっと目を瞑った。

「でも、まだ、死にたくないっ!」


ドゴン!ボシャン。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あれ?



頭がジンジンと痛い、何だかしかも温かい。
あと、なんだか水の中に浮かんでる気がする・・・。


「おい、お前、何もんだ・・・?」
突然、ここちよいハスキーボイスがあたしの耳にはい、って、伊達政宗のこえっ!?
思いっきりバシャリと顔を上げると、目の前には半裸の伊達政宗。
ギロリと睨んでるけど、むしろ私の目はその鎖骨とか胸筋とか、腹筋にロックオン☆なんですがっ!

「おい・・・どこの間者だ」
ことと次第によっちゃ、いますぐ殺すと言わんばかりに睨みつけられる。

くはぁ・・・天国、って早く否定しないと、本当に天国に行くってっ!!


「い、いや、あたし間者とかじゃなくってですね。っていうか、あの!お願いがあるんですが!」
「Ah?命乞いなら無駄だぜ」
「何でそんなにお色気むんむん・・・じゃなくて、鎖骨とか胸筋とか、腹筋見ても、っていうかむしろ触ってもいいですかっ!」

「・・・・・・・・・・・・・・あ?」


伊達政宗がきょとんとあたしを見る。

「もう襲いたいというか、おか・・・もとい、その色気は私の血液全部無くすおつもりですかぁ!」
凄く変な顔で、伊達政宗があたしを見る。

「うっ・・・!」
突然、ボタボタ鼻血がでる(ヒロインが鼻血でちゃダメとか言っちゃダメ!ヒロインだって人間よ★)
「お、おい・・・」


・・・わが、人生に」
ペトっと政宗さんの鎖骨に触れた。


「一片の悔いなしっ!」
「お、おい?おい!」


薄れていく意識の中で、伊達政宗の鎖骨の感触と、声だけが残った。





これが最初の出逢い



( 最初っから変態って、いいのか?これで )