「まさむねさーん」

は寂しいですよー、兎は寂しいと死んじゃうんですよー・・・・・・嘘です、嘘なので変な物を見るような目で見ないで、成実ちゃん。


「なるみじゃないって」
面白いなーはーって撫でられたけど、そんなんじゃ寂しさは埋められないんですよ。
つーか撫でるのがヒートアップして、もう髪グシャグシャだって成実ちゃん(さり気なく怒ってるでしょ!)



政宗さんは今、戦に出ていった。
というか、あの人最前線突っ走るタイプだからね!筆頭のくせに!

同盟結んでる武田の人たちも一緒に出てくれてるけど、多分皆最前線なんだろうなぁ。
ちょっと前に佐助さんが来て、もうすぐ終わるよーっていうのは言ってくれたけど。



「政宗さーん」

寂しいですよー、さっさと帰ってこいよー。


成実ちゃんは仕事があるからって帰って、あたし一人になってまた寂しくなってきた。
この時代の人は、本当文句も言わずにただ黙って待ってたんだよなぁ。

すごいなぁ、昔の人。

戦争も外に出たら刺されるみたいな危険もあんまり無い場所だったから、忍耐力が足りないや。
待つのってつらいよなぁ。



「おわっ」
ボンヤリ考えてたら涙が出てきて、急いで拭った。
ダメだ、政宗さん欠乏症だ!(きっと学会に発表できるね!)

ウジウジ考えて、ゴロンと転がった。


「政宗さーん」
逢いたいなー逢いたいよー、逢うとき逢えばー、逢えー。
よし、五段活用という神の啓示も出ていることだし、私は逢いに、



「やっほー」



そう決意した途端に、天井の上から声がした。
「佐助さん」
久し振りだねぇ、と笑ったけど、待てコイツ戦中じゃなかったか、おい。

「戦どうなったの?」
「こっちの勝ちで終わったよ」
竜の旦那も怪我無く、こっちはほぼ損害なしに終わったよ。

そう言う佐助さんに、あたしは胸を撫で下ろした。


「旦那が城のちょっと前に来てるから、すぐ帰ってく、」


佐助さんの言葉の途中であたしは急いで走った。



政宗さんの匂いがするっ!(あたしは犬にも勝てると思う)
走って門の方に向かうと、たくさんの人がいて(ああ!帰ってきた!!)
「!」
だーっと走って、馬から降りた政宗さんの隣にいた小十郎さんを思いっきり突き飛ばした(はるか3メートルくらいは飛んでた)。



「政宗さん!」

ポスっとくっつくと、政宗さんが抱き上げてくれた(すげぇ、あたしの体重でっ・・・!)。


「おかえりなさい、政宗さん」
無事でよかった!と笑うと、政宗さんも笑い返してくれた。








( その後怒った小十郎さんに、ものすごく説教されました )