「と、」

「おい、てめぇ、鴇時!人の顔踏みつけやがって!!」
篠ノ女・・・てめぇ、後で覚えてろ。


「鴇ー鴇ー」
「ん、なに

「鴇ーーーー!!!」

思いっきり真朱ちゃんが鴇に飛びついた。
うん、可愛いけどね真朱ちゃん・・・(こんな時はちょっとだけ恨めしい)。



鴇とはまたやっぱり話せなくて、近くにいるかもしれないとあたしは適当に置いてあった草履を履いて、外を探してみた。


「鴇ー、鴇ー?」
ふと角を曲がると。



「梵天!お前また来たのか!」

「ははは、まあいいじゃないか」


・・・梵天。なまじ顔が良いから強く怒れない・・・(性格は極悪だけど・・・)。
ああ、でも我慢の限界。


一応あたしと鴇って恋人なわけですよ。そう元の世界でいうとカップル、ラヴァー。

とりあえずお前等(真朱ちゃんは・・・とりあえず除いて)、覚悟しろよ?


「まずはお前だ篠ノ女ーー!!!」

「はぁ!?」
思いっきり近くにあった石を投げてみた(ナイスコントロール☆)。
篠ノ女の頭にクリーンヒットして見事篠ノ女は白目をむいたけど、気にしない!


「んで、次はあんたよ、梵天!」
そういきり立って石を投げようとした。

投げようと・・・・・・駄目だ・・・あたしに美形は傷つけられない・・・!(ボトンと石が落ちた)



「うう・・・梵天の顔がもうすこし普通だったなら・・・」

ああ、でも無理です、お母さん。

私、例え彼氏がいようとも、あんな国宝になりそうな顔傷つけられません・・・(いや、そりゃ鴇が一番ですけど)。
篠ノ女はあれだ・・・やられキャラだから。



「どうしたの、

鴇が不思議そうな顔をして近づいてきた。
いえるわけがない・・・(そんなこと)。

鴇に集まってくる人たちに、嫉妬してた、なんて。


「う・・・うぅう・・・」
なんか、すごく情けなくて・・・涙が出てきた。

鴇は焦ったりしないのに、あたしばっかり焦って。


!?」
鴇が驚いた顔をしてる(うん、あたし涙と並行して鼻水出るから)。



ずずっと何度か啜ってみるけど涙は止まらなくて、そうこうしているうちに鴇に腕を引っ張られた。
「大丈夫だよ、
何が大丈夫なんだよ、わかってないくせに!って叫びたかったけど、思いっきり鴇に抱きついた。



「一人にしないで、鴇・・・」
怖いの。誰にも邪魔されたくないくらに鴇が好きすぎて、怖いの。


そう言うと、鴇が小さく笑った。









( つながりを確かめるためのコミュニケーション )