「あはははははは、鵺くーん・・・半径5M以内に近寄ったら技喰らわすぞ?」 思いっきり笑顔で言ってやった。 「むしろ俺はをくい」 「教育的指導ーーーーー!!!!!」 ふざけんな、お前という奴は!! 二人っきりになったからと突然盛り出した年下の彼氏に制裁を加えるのは、正当だと思う。 「いって・・・なぁ、なんでそんなに駄目なんだよ」 「お前何歳だと思ってんだコンチクショウ」 ブスっと口を尖らせて言う鵺に、あたしはそっけなく返した。 中学生だっていうのに、本当に手が早いやつなんだから・・・くそぅ。 しかも何だかものすごく手馴れてる感じがしてさらに嫌だ。 「なーなー」 首を傾げて、あたしを見上げながら言う。 ・・・くっ!!年下の武器を使ってきた・・・! 「だ、だめ!!」 鵺のことは好きよ、好き!でもやっぱり女の子としては心の準備とか、年下としてのとか色々あって。 そんなこと考えてる間にも近寄ってきた鵺を押し返した。 「俺のこと、好きじゃねぇの?」 こいつ、人が上目遣いに弱いって知っててしてきたしっ! 「そ、その・・・そりゃ好きだけど・・・」 こうなるとあたしは何も言えなくなってくる。 結局鵺が好きで本当に逆らうことは出来ないけど、頼むからもうすこし待ってほしいと女の子は願うものなの! ずいっと鵺の顔がそのまま近づいてきた。 「だったらいいだろ?」 「え、っと・・・でも、その」 頭の中が空回りして、何にも反論が出来ない。 そう考えてる間に何時の間にか押し倒されて、上に移るのは天井と鵺。 むしろ鵺のみ。 ま、まて!早まるんじゃない少年!叫んでみても(心の中でだけど)鵺はむしろ近寄ってきた。 目がさっきまでの純粋そうな少年の目から、なんていうか・・・肉食獣みたいな目になった。 そしてあたしは食われる可哀相な草食動物? 「ぬ、ぬぬぬぬぬ、鵺!」 「優しくするから」 何が「優しくするから」・・・だボケーーーー!!! 助けてー!と心の中で叫んだ瞬間に、ガチャリと扉が開いた。 「あー、鵺ってばちゃん襲ってるー」 「狼だー狼ー!」 「合意がないとゴウカンなんだぜー!フウフでもゴウカンは成立するんだぜー!」 ・・・よく知ってるね、タっくん(誰の影響なんだろう)。 「お前等覗いてんじゃねぇよ!襲って悪いか、狼で悪いか!っていうか強姦じゃねぇよ!」 律儀に反応する鵺から、そろりそろりと逃げ出した。 鵺の怒号で子ども達は散り散りに逃げていって、はぁと溜息を吐いた鵺があたしを見た。 「・・・今度はの家でな」 絶対に入れてやらない(きっと勝手に入ってくるだろうけど)。 |