「、反抗期?」 お父様が首を傾げた。 「違う、お母様が大好きなだけ!」 あたしが豪語した。 「ちゃん!ハルも大好きですよ!!」 むぎゅうって抱きついてくれるお母様の細い腰に、あたしは思いっきり抱きついた。 ちなみに、目の前にいるお父様に見せつけるように。 「だって、お父様はお母様じゃないんだもん!」 「いや当たり前だから!」 ビシィとどこかから効果音を出して言うお父様にあたしはプイと顔を背けた。 いや、もちろんあたしはお父様のこと大好きだけど、これは作戦なのだ。 お母様と共謀の。 「もう、ちゃん。ツナさんにあんまり無理難題ふっかけちゃダメですよ?」 とお母様が小首を傾げて、その言葉にお父様が顔を輝かせた。 「ハル!」 「ツナさんは守護者の人とのコミュニケーションで忙しいんですから、私たちのこと忘れちゃうくらいに」 ね? ニコリ、と思い切り笑顔が輝いた。 たらりとお父様の頬から汗が流れて、若干顔が青ざめた。 「い、いや、ハル・・・!あれは!」 お母様は想像以上に怒っていたようです。 「コミュニケーションだなんていって、本当は何してたんですか!」 「普通に会話だから!それ以外の何があるっていうんだよ!!」 クゥっと拳を握って泣き出したお母様にお父様がおもいっきりツッコンだ。 「お母様が言いたいのは、実は浮気してたんじゃないのかってさ」 「してるわけないだろ!」 ゼェハァと息が荒れてるお父様に、あたしは内心笑いながらもプイと顔を逸らした。 「えー?だって、全然帰ってこないし」 「う!」 ギクリと言わんばかりにお父様は驚いて、あたしとお母様は顔を見合わせた。 随分かわいそうになってきたけど、まだ報復は終わらない。 マフィアのボスで忙しいからって、あの一癖も二癖もある守護者を纏めるのは大変だってしってるけど。 あたしたちを放っておいてもいいってわけじゃないんだから! 「お母様!新しい新作が出たんだって!」 「じゃあ行きましょうか、二人で」 あたしとお母様の服を選ぶのが好きなお父様への言葉である。 予想通りお父様はすごくショックそうな顔をしてた。 「それじゃあ、お父様」 「随分とお疲れみたいですから、ゆっくりしてくださいね!」 おもいっきり扉を閉めた。 瞬間、二人でクスクス笑って、帰ってきたら許してあげようか、と閉じた扉を見た。 |