「誰にも見せちゃだめですよ?ツナさんだけに、見せてくださいね」

あたしは、お母様からひとつ、お手紙を受け取りました。
真っ白なお手紙で、そこにはお母様の綺麗な字が浮かんでいました。


「うん。ぜったいぜったい、誰にも見せないし、あたしも見ないよ」
お母様が大好きだから、お母様が困ることはしたくないんだよ。

そう言うと、お母様は笑って、頬にキスをひとつくれました(お返しに、あたしもお母様の頬に背伸びをしました)。


「約束ですよ、ちゃん。必ず、ツナさんに届けてくださいね」
お母様と指切りをして、あたしはその真っ白なお手紙を鞄に大事に大事に入れました。


これは、お母様からお父様へのお手紙。




「おはよう、。どうしたんだい、一人で」
扉を開けると、そこには恭弥さんがいました。

昔はすごく暴れん坊だったらしいけど、優しくてとても大好きです。


「おはよう、恭弥さん。お父様に逢いにいきたいの。お父様はどこか知ってる?」
「綱吉かい?・・・そういえば、温室にいるのを見たよ」
そう言った恭弥さんに手を振って、あたしは温室まで歩いていきました。




「おう、。はよ!」
・・・おはよう」
温室に行くと、そこにいたのは武さんと髑髏さんで、お父様はいませんでした。

武さんは昔からお父様のお友達で、髑髏さんは骸さんの部下で、二人とも優しくて大好きです。


「おはよう、武さん。髑髏さん。お父様見なかった?」
「ツナ?ツナなら屋内庭園にいると思うぜ?」
そう言う武さんと、髑髏さんに手を振って、あたしは屋内庭園に歩き出しました。




じゃねぇか」
屋内庭園には、リボーンさんがいて、でもまたお父様はいませんでした。

リボーンさんはボンゴレのヒットマンで、でも優しくて大好きです。


「おはよう、リボーンさん。お父様知らない?」
「ああ、おはよう。ツナなら書斎にいるんじゃねぇか?」
そう言うリボーンさんに手を振って、あたしは書斎に歩き出しました。




「おや、ではありませんか。おはようございます」
書斎の前の廊下にいたのは、骸さんでした。

昔はすごく恭弥さんと仲が悪かったらしいです(今も、仲がよい・・・とは言いにくいけど)。
でも、とても優しくて大好きです。


「おはようございます、骸さん。お父様に逢いに来たの」
書斎にいる?と聞くと、骸さんがええ、と頷いてくれた。
「丁度仕事の前ですから、大丈夫ですよ」
そう言って扉を開けてくれた骸さんにお礼を言って、あたしは部屋の中に歩き出した。





扉を開けると、優しく微笑むお父様がいました。

それから、おはようといって頬にキスをひとつくれました(お返しに、あたしもお父様の頬に背伸びをしました)。



「お父様、お母様からお手紙預かってきたの」
鞄の中から真っ白な手紙を取り出して、あたしはお父様に渡しました。

大事に大事に、お父様はゆっくりと受け取ってくれました。


これは、お母様からお父様のラブレター。






便



( 届けるのはお母様発、お父様行きの気持ちがこもったラブレター )