あの彼をどう思いますか。 そう聞いたならば、きっと女性陣と天然二人と忠犬と、つまりはリボーンと雲雀と骸と犬と千種ならばそろって答えるだろう。 「うざい」 結論、そんな綱吉は親ばかです。 「恭弥さん!骸さん!」 見つけた、と言わんばかりに嬉々として走ってくる綱吉に、骸と恭弥はタラリと汗を流した。 この声で話し掛けてくる綱吉の話題と言えば決まっている。 娘、の自慢話だ。 「・・・悪いけど、僕仕事あるから」 「ちょ!」 ズルイですよ!と骸が叫んだけれど、恭弥は「まぁ・・・健闘を祈るよ」とだけ残して軽やかに歩いていった。 そろり、と振り返ればニコヤカに笑う綱吉の姿。 毎回のことだけれど笑みを向けられると条件反射で逆らえなくなる自分をなんとかしてほしい。 「骸さん、見てください!」 嬉しそうに写真を見せる綱吉に、骸は諦めの溜息を吐いた。 もうこうなったら止めることなんて出来ないのだから。 「はいはい、何ですか」 「えっとですね、これが昨日が俺のために作ってくれたサンドイッチなんですよ!」 そんなもの、野菜を挟んでしまえばすぐにできるじゃないですか・・・。 と内心思ったことは決して顔には出さないでおく。 その写真にはハルとが写っていて、嬉しそうに微笑んでいる。 幸せな家族・・・はそれはそれでいいんですけどねぇ。 骸はまたこっそりと溜息を吐いた。 こうも毎日この調子じゃ、どうにもやっていけない。 親ばかにも程がある・・・。 骸は天を仰いだ。 そうして、それを止められる位置にいるはずの彼の伴侶も親ばかなのだ。 「ツナさん!見てください!」 を抱き上げたまま走ってきたのは、綱吉の伴侶、ハルだった。 「一人で着れたんですよ!」 ほらほらーと見せつけるように抱き上げるの服はキャミソール型のワンピース。 その歳で、まず一人で着れないほうがおかしい・・・。 全く、この二人にとっては毎日がパーティのようなものなのだろう。 骸は大きく溜息を吐いた。 仕方が、ありませんね・・・。 「綱吉君、自慢はよいですが、あんまり言っていると・・・攫って逃げますよ?」 いい加減に、してください。 にっこりとそう微笑むと、綱吉は笑った。 「その前に阻止するから大丈夫」 そうしてまた自慢をし始めた綱吉にあきれ返って、隼人という生贄を置いて骸はその場から逃げ出した。 ・・・あの親ばかをなんとかしてください! |