私の好きなもの、それは。 鎖骨、です。 「ちゃん、さすがにそれはおかしいと思うんです・・・」 「どうして!?お母様だってお父様の鎖骨大好きでしょ?」 ちょっと顔を逸らしながら言うお母様に、あたしは頑固として主張した。 そうすればお母様はうっと詰まって、いや、まぁ・・・好きですけど・・・と頼りなく言う。 「でも、さすがに娘が鎖骨大好き宣言をして憚らない親の心境も思って欲しいな」 「じゃあお父様はお母様の鎖骨・・・好きじゃないの?」 「う」 ふ、落ちたな。 そりゃ、あたしだって鎖骨大好きってだけじゃないのよ? 上腕二頭筋とか、腹直筋とかも大好きだけど。 ・・・ちょっと、誰よ筋肉フェチって言ったの。 「本当ボンゴレって凄いよね。皆素敵な筋肉ばっかり」 「筋肉って・・・ちゃん!他に無いんですか!?」 うっとりしていると、お母様が叫んだ。 他に、って、他に好きなところってこと? 「えっと・・・顔?」 ガクリとお母様が崩れ落ちた。 まぁそれは置いといて、 「一番筋肉が綺麗なのはやっぱり了平さんかな。凄いよね、あの筋肉。細胞から全てが凄いんでしょ?次は骸さんかなぁ・・・いや、でも恭弥さんの筋肉も素敵だし」 「ちょ、ちょっと待った!」 うふふっと語ってるとお父様が必死の形相をして叫んだ。 え、なぁに?何かおかしいこと言った? 「了平さん・・・は、いいよ、うん。よく鍛錬で脱いでるし、うん。でもなんで骸とか恭弥さんの筋肉まで知ってるの!?」 「隼人さんのも武さんのもリボーンのもランボのも犬さんのも千種さんのも見たよ?」 さらり、というとお父様の顔はさらに蒼白になった。 「・・・だ、だから何で・・・!?」 えーっとわざとにたぁと笑ってみた。 するとお父様が凄く青ざめて、「ま、ま、まさか・・・!」と頭を抱え始めた。 いけない、遊びすぎちゃった。 「たまたまお父様がいないときに皆でプールで遊んだだけだって」 そう言うと、お父様は安心したように息を吐いて、がくりと崩れた。 「いいですか、ちゃん。好きなものを好きというのは悪くないですが、あんまり男性の体のことを言ってて何かあったらいけないんですからね!」 自重してくださいね!と握りこぶしで言うお母様に、あたしははぁいと頷いた。 「でも、プールの時水に濡れた体は素敵だったなぁ・・・」 「・・・ちゃん・・・」 |