高校卒業して大学生になって(エスカレータといえど試験はあるんだね!本当ギリギリだったよ、うん)一人暮らしなんてものを始めちゃって結構自堕落な人生を送ってたら、ある日日吉に。

「ああもう、こんな生活をするくらいなら、俺と住め!!」

といわれて、何やかんやで籍まで入れちゃって結婚しちゃいました☆


っていうのが、あたしと日吉の結婚までのいきさつだったりします。




「・・・って、何だその色気も何もねぇ結婚は」
「うるさい、あほべ。重大なのはね、あたしと日吉が結婚したってことなのよ!!」

白は嫌だと頑固として主張する日吉に、じゃあ黒でもいいからと説き伏せて頼み込んだ結婚式の前日に、あたしと日吉の家には何故かテニス部のおなじみのメンバーが集まっていた。

「というか、。いい加減お前も日吉だ」
「はっ!確かに!」
ついつい中学校高校大学の癖で日吉と呼んでしまう癖は未だに直ってない(うーむ、早く直さなくちゃ)。



「いやー、それにしても驚きやで。二人共何時の間に付き合っとったんや?」
「俺も知らなかったCー!」
驚いた驚いたとわざとらしく言う忍足先輩と、内緒なんてずるーいと言うジロちゃん先輩に、あたしと日吉が首を傾げた。


「「付き合ってませんよ?」」

「は・・・?」


おりょ?先輩達が沈黙になってしまわれましたが?


「お、おまっ!!じゃあクリスマスの日とかに二人で出かけてたのはなんだったんだよ!」
手も繋いでただろ!?と鳳君らしくなく激昂したように叫んだ。

「あー・・・あれだろ、丁度参考書でも買いに行ったやつだろ。は、激ダサだな」

一緒に帰ったりとか休日の日一緒に出かけたりとかはあったけど、それ以外のことって一切なかったしなぁ。
あ、手は繋いだけど。

・・・ん?付き合ってないってこと、は。


「大変、大変!日吉、付き合って1年目とかそういう記念日とかしたこと無いのに先に結婚しちゃったよ!!」

「その辺は付き合って1年目を結婚して1年目に変えればいいんじゃないのか?」

あ、なるほど。日吉頭Eー。


「って、アホかお前らぁあああああああ!!!」


「えー、何ですかついこの前ご令嬢と婚約なさったのに未だにプレイボーイでいらっしゃる最低跡部先輩」
知ってるんですよ、あほべの女癖の経歴は。

「そういうときだけ跡部先輩って言うんじゃねぇよっ!!つーか日吉、付き合ってもない女と面倒見るために結婚するんじゃねぇ!」
「いえ、別に気持ちがともなってないわけじゃないんですが・・・」
うんうん、日吉ってそんな好きでもない女の子と結婚したりとかそんな面倒なこと出来ないタイプだもんね、うん。

それから今度は跡部の目がこちらをギロリと見た。

「それから!・・・は、どうでもいいか」
「どぅっ!?」

どうでもいいって酷いって!!いや、跡部がどんな最低女歴をもっていようとあたしはどうでもいいんだけど。
それはそれでちょっと傷つくっていうか。


「ま、まぁいいんですよ!もう籍いれっちゃったし明日結婚式なんですから!ねー日吉!」


ああと頷く日吉に、あたしはとりあえず横から聞こえてきた、

「こんな夫婦で本当にええんかいな・・・」

と呟く忍足先輩の言葉は聞かないことにしておいた。






夫婦の絶対条件



( 妻の軒並みならぬ夫への愛と、夫の妻への保護欲があればOKです! )