「僕が離婚したいって言ったらはどうします?」 突然何を言うんだ、このパイナップルは。 多分この場に集まってる全員が思って、そうして視線があたしに向いた。 「理由は?」 読んでた雑誌から顔をあげて、ニコヤカに笑って言う骸の方を見た。 また何を言い出したんだか。 「なんとなくです」 「じゃあ却下」 くふふと笑いながら言う骸をばっさりと切って、あたしはもう一度雑誌に向き合った。 「じゃあ、好きな人が出来ました」 「じゃあって何、じゃあって。明らかに作った言い訳じゃない。却下」 あ、この新作可愛い。 幹部全員の視線を集めながら無視して雑誌よめるあたしって凄い。 思わず自画自賛していると、骸がまた口を開いた。 「愛人に子が出来ました」 「っていうか骸愛人居たっけ?まぁいいや。別に気にならないからいいよ」 骸が子づくりしたいと思うわけもないし、愛人とか面倒なもの作るたちとは思えないし。 というか、それ以前に責任とってー、なんてばかげたマネするわけもないし。 「その相手は実はとある有名なファミリーの令嬢だったのです」 「何で物語風なわけ?というかそんな地位のある相手に下手に手だして証拠残すわけないじゃん」 骸はそんな馬鹿じゃないでしょ。 詰め寄られるようなことになるようなこともするわけもないし。 あれ、これって妻としてなんか色々おかしくないか? 「そのファミリーのボスである親に秘密を握られ、僕は泣く泣く結婚するしかなくなってしまいました」 「骸は秘密握る方でしょ。泣く泣くって、それより前にファミリーぶっ潰すくらいのことをしなさいよ」 ちょ、ちょっと・・・と戸惑う綱吉の声がしたけど、さらりと無視をしておいた。 あ、このブーツ骸に似合うかも。 「まったく、面白味が無いですね、は」 「骸ってあたしに面白味を求めて結婚したわけ?」 「いいえ、全然」 さらりと言うなってーの。 まったく、素直じゃない。 「じゃあ、例えばあたしに好きな人が出来て、その人との子どもが出来て、相手はファミリーの跡取り息子で、その親に秘密を握られて泣く泣く結婚することになったから離婚してくださいって言ったらどうするの?」 依然、あたしは雑誌から目を離さない。 この部屋のあたしを覗く幹部全員に視線を向けられた骸はそれに惑うこともなく、さらりと言った。 「その相手のファミリーを潰して、とその愚かな愚者の子を堕ろさせて、一生監禁して二度と離婚したいって言わないように沢山愛してあげますよ」 「・・・愛が重い」 「くはははは、僕と結婚をした君の運命を呪ってください」 つまりはあれだ。 これは素直になることの出来ない骸の、一種の、 |