「変態、ロリコン、少女趣味、リカちゃん大好き人間、オタク、マニア、ロリータ好き、最低人間、貧乳好き、女子高生趣味」 「・・・、色々と当てはまらない部分を訂正してもらってもいいかな?」 あたしの髪を切りながら、鏡から見える困った顔をしたその人物に向かってにっこりと笑った。 「却下」 そうあたしが暴言(ううん、事実)を吐き捨てた相手は、あたしの結婚相手のスピット・ファイア。 つまりは夫ってやつだ。 「あーあ。こんなおっさんと結婚するくらいなら、さっさと年上のー・・・あ!嵐の王・・・じゃなくて、空の王の樹さんと結婚しとけばよかったかも!皆の憧れだし格好いいしー!ううん、牙の王の咢君なんかもワイルドで良かったかもっ!」 ブォオオと音がしてドライヤーが髪を人なでして切った髪が落ちてから、スピットがあたしの肩に手を置いた。 「で、は本当にそうするつもり?」 「・・・ただの例えですよーだ・・・」 そりゃ突然婚姻届ににっこり笑顔でサインしてね?(脅し)って言われて、あれよあれよと言う間にわずか16歳で結婚しちゃったけど。 いや、法廷基準は満たしてるんだけど。 結婚なんてしない!って言ったあたしに、「絶対には僕を好きになるよ」ってどこのセリフだよっていう感じで言ってきたスピットに惚れたのはあたしですけど! 「でもやっぱり、変態」 普通10より下の女の子に手を出す? うん、やっぱりスピットは変態なんだ。少女趣味なんだ、女子高生趣味なんだ。 ・・・あれ? 「て、・・・ってことは女子高生じゃなくなった途端に離婚とかしないよねっ!?」 「は?」 ああどうしよう!女子高生になった君には興味ないよとか言われたら、あれ、あたし若干高校卒業時点でバツ1!?っていうか、離婚なんてしたくないよっ!? 「・・・盛大な勘違いをしてるみたいだね」 でも、もし本当にスピットが少女にしか趣味がなか、 「へぁっ!?」 え、ちょ、まっ!う、浮いてますけど!? プリンセスホールド、っていうか所謂お姫様抱っこをしたスピットが、あたしを抱いたまま颯爽とどこかへと歩き出した。 「ちょ、ちょちょ、スピット!どこ行くの!?」 「ん?が僕のことを誤解してるようだから、たっぷりと教えてあげようと思って」 ずんずんとあたしを見るでもなく、まっすぐに歩いていく。 「・・・ちなみに、ご手段は?」 「夫婦の営みで」 ふ、ふざけんなーーーーーー!!!! 「ああ、ひとつ訂正させてもらうよ、」 「はなせーーーっ!!!・・・って、はい?」 何?何を訂正するって? ついつい抵抗も忘れてきょとんとすると、スピットがあたしの頬に口付ける(ちゅって音がするのが気障すぎる!)。 「僕は、趣味だから」 ・・・ああもう、それって笑顔で言うこと? っていうか、迷いなく言うと、さらに変態くさいんですけど・・・。 「・・・優しくしないと、一ヶ月変態って呼ぶんだから・・・」 「普通に優しくしてねと言えないのかな?」 「うっさいっ!!この―――」 |