「なんてこったい!!」

1時間前くらいにちょっと病院に行ったら大変な事実が発覚して、そのまま部屋に帰って、仕事を終わらせたイルミにおかえりーって言った後に、あたしは思いっきり叫んだ。
何で相変わらずこんなに処理速度が遅いんだろうか、あたしって。
・・・いや、もっとひどくなってる気がする。

「イルミ!大変!」
「何?」
「さっきさ、ちょっと病院行ったら、赤ちゃんできてた!!」

てん、てん、てん。
なんていうか、そんなことを口に出したい沈黙がちょっと広がって。

「・・・誰に?」
「あたし以外の誰がいるのよ!!」
ベシ、っとイルミの頭を叩いた。
ああ、本当にあたしってば度胸がついたよね・・・。
便所から異世界トリップしてなんやかんやでイルミと結婚して・・・うん、すごい人生。

「ふぅん・・・に・・・。で、誰との?」
「イルミ以外にいるわけないでしょうが!!っていうか、もしイルミ以外だったら誰だっていうのよ!」
「ヒソ「却下!!」

イルミの言葉をさえぎった。
っていうか、仮にも奥さんに向かってその発言ってどうなのさ!!
え?あれ?結婚は強制とはいえ、そのあと合意で本当に夫婦になったよね!?

「冗談。ちょっとふざけただけだよ」
「イルミがふざけるとなんか洒落にならないからやめて」
「・・・そこまで言われると、俺もちょっと傷つくんだけど」
いや、明らかに傷ついてないでしょ。
そんなイルミを見て、あたしは深く溜息を吐いた。

なんていうか、パパなイルミって想像つかない。
っていうか、なんか気持ち悪い。


「・・・で、、誰に出来たんだっけ?」
「だからさっき、あたしだってい・・・・・・ひょっとして・・・イルミ、動揺してる?」
「は?」
きょとん、とした顔でイルミが聞き返してくる。
・・・無自覚だけど、絶対に動揺してる・・・。

・・・きもちわる。





イルミ=ゾルディックに、赤ちゃんができましたって言ってみた。



( 思わずポツリと呟いた感想の後、なんだかじわじわと嬉しい気持ちがあふれてきたんだけど )