「たっだいまー!」 「おかえ・・・うわぁ、ボロボロだね、」 あはは、と渇いた笑いをする我らがボス、綱吉に向かってあたしは報告書と一緒ににっこり笑ってみる。 だって一級任務だったんだから仕方がないじゃない。 恭弥も呆れた顔であたしを見るけど、うんまぁ気にしない。 「はい、ボス。報告書」 「ああ、ありがとう。・・・報告書、読むの後でもいいかな・・・」 はは、っと笑う綱吉の机の上には、そりゃもう大量のお仕事が。 でも、この報告書はちょっと特別なんだけどな・・・。 「先じゃ駄目?」 「出来れば・・・何かあったの?」 「うん。ちょっと」 ちょっと不安そうな顔をする綱吉に、あたしは頷いた。 「それならさっさとその部分だけ口で言えば」 そう助言したのは、さっきからソファに座って黙ってた恭弥で。 それもそうか!とあたしは綱吉の方に向き直った。 「あのね、綱吉。さっき任務に行く前に分かったんだけど」 「?敵の数が多かったとか?麻薬取引してたとか?」 綱吉の予想にあたしは首を横に振った。 「あのね、赤ちゃんできてるんだって」 「・・・」 「・・・」 ここ!とおなかを軽くポンと叩くと、目の前にいる男二人が見事に固まった。 そのあと、綱吉がわなわなと唇を震わせながら叫んだ。 「そういうことは任務より前に言ってぇええええええ!!!!」 「大丈夫!赤ちゃんはしっかりと守ってるから!赤ちゃんを護るために障害は乗り越えなきゃと思って!」 「あえて越えなくてもいい山を越えなくてもいいよ!!」 握りこぶしを作って力説したら、恭弥にべしっと頭を叩かれた。 「どどど、どーしよう!!えっと、えっと、とりあえず手術室の準備!?お湯!?お湯!?・・・あ!ベビーベットも用意しなきゃ!」 「・・・綱吉。まだ出来ただけで生まれてないから、落ち着きなよ」 わたわたとあわてる綱吉に、恭弥がぽんと背中を叩いて落ち着かせる。 「ほんとボスってばあわてんぼうさんなんだから」 「確実にのせいでしょ」 べし、っとまた頭を叩かれた・・・痛い・・・。 「とりあえず、生まれるまで任務禁止!絶対禁止!」 「えぇ!?まだあとSSSが4つと、SSが3つする予定なんだけど」 「そんなの恭弥さんにしてもらえばいいでしょ!は絶対安静!動くな!!」 それもどうかと思うんだけど・・・。 まぁ、綱吉は気が弱そうなくせにかなりの頑固だから、もう従うしかない。 あたしはする予定だった任務の調査書をにっこりと笑って恭弥に向かって差し出す。 「じゃあ、頑張ってね!パパ」 「・・・、隠してるSSS一個出しなよ」 「・・・・・・ち、ばれたか」 |