「ねぇ、柾輝。もしもよ?もしもだけど、赤ちゃんが出来たらどうする?」
「・・・ん?」

きょとん、と柾輝が顔をあげて、それからあたしの視線の先のテレビを見て納得したように、ああと呟いた。
乳児スペシャルと題されたそれは、見事に生まれたばっかりの赤ちゃん達ばっかりで。
25になると若干そういうことが気になり始めたりするわけで。

そんな5歳年下の愛しい彼氏である柾輝君は、じっと考えた後に、口を開いた。
「・・・とりあえず」
「とりあえず?」
「入籍する」

・・・あれ?なんかきゅん、ってきた。
柾輝ってば目つきが悪くて不良っぽいくせに、結構誠実で面倒見がいいんだよね。
野暮なのは嫌いなくせに。

「それで」
「・・・それで?」
まだ続くんだ。
「名前を考える。両方大丈夫なように」


「・・・」
え、なに。
この可愛い生き物。

なんだか今からもう考えてそうな雰囲気を醸し出す柾輝に、尚更胸がきゅんきゅんする。

は欲しいのか?」
「欲しいっていうか・・・」
なんていうか。

それよりも、胸がきゅんきゅんしすぎて大変です。
何この可愛い年下の男の子。

「今ね、柾輝。あたしは胸がきゅんきゅんして大変なんですよ。しかも二人分」
「二人分?」
きょとん、とした柾輝を見ながら、あたしは机にこつんと軽く頭をのせた。

「お腹の中と、あたしで二人分」





黒川柾輝君に、赤ちゃんができましたって言ってみた。



( どうしてくれようか、じゃあ入籍しようなんて言い出したこの可愛い年下の男の子は )