「将君!聞いて聞いて!」 「?どうしたの?ちゃん」 きょとんとあたしを見る将君に、あたしは思わずにやける顔を抑えられなかった。 ああ、身長は伸びたけど相変わらず可愛いなぁ。 きっと将君は女の子だったらモッテモテだったに違いないね! 「うん、えっとね、将君!なんと、赤ちゃんができました!」 「へ?・・・え・・・えぇええええええええ!?!?!?」 おおう!やっぱり想像通りの反応。 超焦ってるあわててる。 でも焦ったりあわててばかりで、何も言ってくれなくてちょっと不安になる。 やだったかな・・・将君。 「わわ・・・えっと・・・そっか・・・」 何か言葉が浮かばない、みたいな顔をした将君がちょっと感慨深そうに呟く。 あたしはすごくすごく嬉しいんだけど、将君は嬉しい、かな? 「将君、嬉しい?嫌?」 「そんなことないよ!・・・ありがとう・・・すごく、嬉しい」 そう言ってほほ笑んでくれた将君の顔は今までにないほど穏やかな頬笑みで、胸がキュンと高鳴る。 相変わらず将君にどきどきさせられてばっかりだ。 ソファに座る将君の膝の上に座ると、いつもよりもっと優しい動作で苦しくないように、だけど落ちないようにって抱きしめてくれた。 斜め後ろにちょっと泣きそうな顔の将君が目に入って、背中から聞こえる将君の心音は少しだけ早かった。 「ねぇ、男の子かな?女の子かな?」 「そうだなぁ・・・僕はどっちでもいいよ。元気な子が生まれれば」 「あたしもそう思うよ。けど、あたしと将君の子どもだったら、サッカー馬鹿になりそう」 「・・・男の子でも、女の子でも、だね」 クスクスと笑う振動が響いて、ちょっとだけくすぐったい。 サッカーじゃなくても、野球でもテニスでもなんだっていいけど。 きっと努力家で負けず嫌いで慌てん坊で、でも、とても優しい子になると思う。 だって、貴方のパパはとてもすごい努力の天才だから。 「ねぇ、将君」 「ん?何」 後ろから抱きしめてくれてる将君の胸に寄りかかるように体を少しだけ倒す。 するとちょっとだけ支える力を強くしてくれるのが分かって、なんだかぎゅって心臓が握りつぶされちゃいそうなほど幸せになる。 「大好き」 |