ぐぐぐ。 ぐぐぐぐぐ。 「ぬ〜え〜く〜んっ!」 「・・・・・・ちっ」 押して、押し戻して、咎めるように名前を呼ぶと、鵺君は凄く不服そうに舌を鳴らして離れた。 あ、危ない・・・あのままだったら、キスするところだった。 あたしと鵺君は、先日恋人になったばかりだ。 大学生なのに、中学一年生と恋人なんて(だって7つも離れてる)と思っていたけど、好きになっちゃったんだから、しょうがない。 鵺君は、下手をしなくても、あたしより大人びてるし。 ・・・あたしが子どもっぽいってわけじゃない・・・と、思いたい。 兎に角、だから別に子ども扱いをしてるわけじゃない、けど。 それでも、隙あればキスをしようとしてくる鵺君を拒んでいた。それはもう、徹底的に。 いや、別に、ファーストキスってわけじゃないし。 そりゃ、鵺君より伊達に7年長く生きてませんから?もちろん、そりゃ、多少の経験はあるけど。 鵺君の歳だったら、思春期で、興味とか、色々あるのもわかる。 キスを迫ってくるときの手が、肩とかじゃなくて、腰とか、たまに服の中に入りかけてたら、そりゃあわかりますともっ! あたしだって、したくないわけじゃない。 だけど・・・7つ、あたしは年上で。 外に出るには、お化粧をしなくちゃいけない歳になっちゃったわけで。 当然、鵺君の同級生の女の子とは、肌のハリが全然違うわけで。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・み、みせられないっ! どれだけ祈っても、あたしは13歳にはなれない。 「ぬ、鵺君!」 今日もソファの上で攻防戦。 鵺君の右手は、いつのまにやらあたしの服の中に入りかけている。 おい、手が早いぞ、少年。 「、何でそんなにいやがんだよ」 あ、怒ってるかも。 ムスっと、不機嫌そうに、鵺君はあたしを見下げた。 「いや・・・あの、えっと・・・・・・・・・・・その」 ジーっと鵺君は、あたしを見つめてくる・・・・・・言わなきゃ、ダメ? 「そ、その・・・あたし鵺君より7つも年上だし・・・だから、がっかりされたら、やだな、とその、思いまして・・・」 だから、離してくれる? あたしがそう言うと、鵺君が、これでもか!ってほどに、大きな溜息を吐いた。 「それが・・・が俺を拒む理由・・・か?」 「え、うん・・」 答えると、手はもそもそと動き出して、むしろエスカレートだ。 さりげなく、額にキスすら落とされた。 「鵺君!?」 「・・・俺をあんまりなめるなよ・・・?―――俺は、だったら、それでいいんだよ」 「は、はい・・・?」 「死んでも、墓の中でも愛してやるから、覚悟しろよ?」 |