「やっと信じた?」 あたしは笑うよりも泣きたい気持ちで笑った。 酷い、酷すぎる。でも、大好きだ。 そうしたら、鵺はあたしより泣きそうな顔で、ごめんなって笑った。 「ごめん」 「信じてくれたらいいよ」 そう言って、あたしは目の前の鵺に抱きついた。 大学生になって色々な付き合いが増えて、たくさんの人にあった。告白されたこともあった。 だけど、あたしが鵺を好きだって気持ちは変わらなくて・・・むしろ、強くなったんだよって言うと、鵺が驚いたような顔をした。 信じてなかったんでしょ。 鵺が高校の時に色々騒動を起こして、最終的にくっつけたけど、鵺はまだあたしの想いを信じてなかったんでしょ。 世界が狭いから、自分のことを好きなんじゃないかって思ってたでしょ? やっとこれで信じた? 「あたしには、鵺しかいないって」 そういうと、鵺の顔がどんどん赤くなった。 「ちょ、。悪ぃけど、ちょっと離れてくれねぇか?」 「えー?何で?」 さらにぎゅっと抱きつくと、鵺のぐっと息を呑む音が聞こえた。 「だからっ・・・!」 「だから?」 こういうときに離れろとか、さすがにそれはムードぶち壊しじゃない? そう思ったけど、鵺が真赤な顔で叫んだ。 「好きな女が、腕の中で殺し文句言ってるのに耐える俺の身にもなれよっ!」 ・・・は? ・・・ああ、なるほど。なんだ、そういうことか。 「別に我慢しなくてもいいのにー」 「阿呆か!我慢するに決まってんだろっ!?」 あたし一応大学生なんですけどっ! 「目の前に好きな人がいて、その人が凄く可愛いことを言って、それで据え膳なんて馬鹿じゃない?」 「いや、可愛いとか自分で言うな、っつー・・・」 近くにベットがあったのをいいことに、あたしはそっちに鵺ごと倒れこんだ。 ふはは、こういうのは得意なんだから! 「ちょ、可愛いことを言ってって、俺のことかよっ!しかも何で俺が押し倒されるんだよっ!」 「当たり前!」 むしろ据え膳なのはあたしだって! そういえば、昔よばいだー!って鵺の寝床に忍び込んで、馬乗りになって鵺の襟掴んで首をガクガク振ったことがあったなぁ・・・若かった、あたし。 「鵺、昔みたいに何安眠してるのさっ!!って襟掴んで揺さぶってあげようか?」 「馬鹿。あれ滅茶苦茶苦しいんだぞ?頭もかなり揺れるし」 そういえば、鵺気持ち悪そうだったよなぁ。 「あはは。じゃあ、蹴り連発とか?あー、でもさすがに今は昔みたいなやんちゃは出来ないなぁ」 「確かにな。つーか、緊張すると喋る癖、まだ直らねぇんだな」 突然あたしがまたがってる鵺がにやりと笑った。 って、緊張って誰がよ。 「違いますー。勘違いもいい加減にしてよねー。純情培養された鵺じゃないんだか、」 ふと、顔が近づいた。 「、いいから・・・」 |