「豆腐の角で頭打って死ね、馬鹿鵺っ!!」 ドォンと鵺を突き飛ばして、振り返らずに走り出した。 絶対に鵺が悪い。 あたしっつー恋人に何にも相談せずに、王になったってどういうことじゃぼけぇえええええ!!!! 「ふざけてんじゃねぇぞこらぁあああ!!!」 うがー!!と頭をかきむしると、目の前にチームメイトの実森(みもりだけど男)がやってきた。 「、今日はどうしたの?」 「どうせ、全部あの新米王だろ?」 「うっさいわぁあ!!!ど、どうせ!どうせあたしの話題はそれだけだよ!!」 リーダーの言葉に、唸るように怒鳴り上げた。 こんなにおっさんで、ふざけてるのにリーダーで、しかもあたしより強いって言うんだから。 「んー・・・しょうがないな。忘れさせてあげようか?一瞬で」 「頑固お断り」 実森の言葉に、首を振ると、凄く残念そうに笑った。 「大丈夫だよ。痛みは一瞬。後は快楽へご招待」 「触るな、変態」 肩を抱こうとしてくる実森をベシっと払いのけて、安全地帯(リーダーの近く)に座った。 あーあ、変態ばっかだ、このチーム・・・。 「〜」 「何?」 「お客さん」 少し遠くの入口に立ってたのは、鵺だった。 「げ」 「ほらほら、いやそうな顔しなーい。彼氏君でしょうが。じゃ、いってらっしゃい」 首根っこを掴まれて、ペイっと放り出される。 「チームメイトを売るなんて!この薄情者ぉおおおおお!!!」 あたしの叫びは、哀しく鳴り響いた。 「」 隣で鵺の呼ぶ声が聞こえるけど、あたしは無視して顔を逸らした。 だって、王になった、なんて酷い裏切りだ。 一言くらい、相談してくれても良かったのに。 「俺、がなんと言っても王を止める気はねぇ。・・・だけど、と別れたりもしないからな」 「・・・話、飛躍しすぎじゃん。別れる、なんて言ってないのに」 「でも、ちょっと思っただろ」 「うぐ」 図星を付かれて、ついつい黙り込んだ。止めなきゃ別れてやる、って実は言おうとした。 「俺は、欲しいものは絶対に手に入れるし、手放さねぇ」 「・・・ちょー俺様」 「何とでもいえよ」 だから、絶対離してやらねぇから、ついて来い。 「・・・ばーか」 何か論点すりかわってる気がするんですけど、なんて抱きしめてくる鵺にはいえなかった。 |