「ご、ごめんなさっ、ごめんなさい・・・ひっ、うっ・・・ごめん、なさっ・・・」 「・・・」 じっと黙ったままのルフィに、私は泣いて縋りつくことしかできなかった。 私が泣いたってどうにもならないのに、ルフィのボロボロな身体が一瞬で治るわけでもないのに。 (もし治るなら、私は声が枯れたって泣き続けるけれど) 何度も謝りながら泣く私を、ルフィは黙ったまま見つめていた。 敵の攻撃に、私の反応が追いつかなかった。 体を鉄に変えて防ぐことも出来なくて、それをルフィが助けてくれた。 包帯を巻いたルフィの姿は、怪我の酷さを物語っていて。 座って向き合うルフィは、何も言わなかった。 一言も、私を責めなかった。 「やっぱり、私・・・乗らないほうが、良かったっ・・・。いっつも、っ、助けられ、て・・・ひっ、く、ルフィに、怪我、させて・・・。・・・・・・やっぱり、降りたほうが、」 「駄目だ」 「っ!」 ルフィの声がいつもより低くて、思わず顔を上げると、そこには真っ直ぐな目をしたルフィがいて、息を呑んだ。 「る、ふぃ、」 「絶対に駄目だ!」 「でも、でも、だって、私、何の役にも、立てないっ・・・!」 前の世界で出来ていたことなんて、ここじゃ一つの役にも立たない。 パソコンが出来たって、パソコンなんかここにはない。 更に対して戦うこともできない私は、本当に何ひとつ役に立たない。 「馬鹿野郎っ!」 ペチ、と音にすればそんな感じだったのかもしれない。 ルフィの力にすればそれは触れたにも等しいことだったのだろうけど、まぎれもなくそれは叩かれたのであって。 ルフィに叩かれた、ということになんだか物凄い衝撃を感じていた。 「役に立つから仲間なんじゃねぇ!一緒にいてぇから仲間なんだっ!」 「っ、ルフィ・・・」 「お前が、が一緒にいてぇって思えば、それだけで仲間だ」 手が、差し出される。 ルフィの手は傷だらけで、包帯だって巻いてあって、それに物凄く胸が痛いけど。 でも、それでも。 一緒に居たい。 もう離れられないくらい、皆が大好きになってしまった。 小さな子どもとして扱われるような、私の中に渦巻く違和感や歪みを全て差し置いても、それでも一緒にいたい。 「一緒に・・・いたい」 恐る恐る重ねた掌が、痛いほどに握られた。 |