屋上にあるタンクの上でブラブラと足を動かした。 そのまま背中を倒して転がる。 あ、パンツ見えるかも。 「おい、。パンツ見える」 ぎし、ギシと音がして、やっと視界に入ったのは隼人。 「可愛いパンツでしょ」 けらけら笑うと、隼人の眉間に皺が寄った。 「・・・犯すぞテメー」 「きゃー怖い」 そんな甲斐性なんてないくせに、ばーか。 隼人もあたしのとなりに、あたしみたいに足を投げ出してごろりと転がった。 「ねー隼人ー」 「あ?」 顔を動かすと、目の前には隼人の横顔があった(畜生、整ってるなぁ・・・)。 思わぬ至近距離でちょっとビックリしたけど、まぁいいや、と思い直した。 「愛しの十代目はどうしたのー」 あんたが綱吉の傍を離れるなんて、天変地異が起きたとしか思えないね。 そう言ってやると、隼人の顔がこっちを向いた(おいおい、さらに近寄ったんですけど)。 「十代目は授業を受けていらっしゃるに決まってんだろ」 お前今なんの時間だと思ってんだよ、と隼人がいやみったらしげに言った。 あーそうかい、そうですか。 綱吉の安全は確保されてるからいいってことですか。 「じゃあ、その愛しい十代目のいらっしゃる教室に帰ったらいかがですかー?隼人サン」 ばーかばーか。 んだよ、そういうときには、あたしに逢いたかったとかいえよ。 「は?、なに言ってんだよ」 「知るかボケ」 なんでこんな至近距離で思いっきり顔顰めて話しなきゃなんないんだろう。 第一、仮にもあたしとアンタって彼氏彼女じゃないんだっけ。 「もういい、かえる」 隼人が行かないなら、あたしが綱吉のところに帰るとも。 「あ?」 後ろで隼人が変な顔して、わけわかんないって顔してるけど、知るもんかコンチクショウ。 だから、女の子の気持ちがわからないって言われるんだよ、バカ。 「別に綱吉とあたしどっちが大切なんて言ったりしないけど、一緒に居るときくらいはお前に会いに来たんだから関係ないだろってくらい言えよ、馬鹿隼人」 ボケっとしてる隼人の顔が見えなくなるくらいに下におりて、それからポケットのものを見つけて、もう一回上にのぼった。 「隼人」 あんたの言うことなすこと全部嫌いだけど、たった一つ、感謝することがあるよ。 「生まれてきてくれてありがとう」 あんたが生まれてきてくれたってことで、嫌いな言動も行動も、全部全部好きなものになっちゃうんだよ、馬鹿。 陳腐でありきたりな言葉でしか言い表せられないけど。 「誕生日おめでとう」 そう言った瞬間思いっきり引き上げられて、気付いたときには隼人の腕の中にいた。 . |