あたしは六道骸の愛人だ。 といっても、本命はいないのに、愛人ってどうなのって思うけど、それでもあたしと骸の関係はそれがピッタリなんだと思う。 まぁ、言ってしまえばセックスフレンド? けれど骸は人を殺すことに快感覚えちゃったりする変態さんだから(いやな変態)あたしとセックスする意味なんてものは小指の爪ほどにないんだけど。 それでも何故かあたしと骸の関係は続いている。 あと、あたしは六道骸の愛人であると同時に、わがボンゴレファミリーのドン、10代目沢田綱吉の部下なんてものをしてしまっている。 「おはようございまーす」 「・・・すでにおそような気がするんだけど、」 ちらりと時計を見れば12時1分前。 なるほど、おそようだ。 「まぁまぁ、細かいことを気にしてちゃ大物になれませんよ?10代目・・・ってあ、もう大物でしたっけ」 「いや出勤時間は本当は8時だからっ!4時間は細かくないからね!!」 10代目はよく叫ぶ人だと思う。いわゆるボケとツッコミのツッコミだなぁ。 いや、でもですね、仕方がないんですよ、ドン・ボンゴレ。 「文句をいうなら朝まで離してくださらなかったドアの向こうにいらっしゃる霧の守護者様に言ってくださいません?」 ニッコリとポーズをつけていってやると、ドアの向こうからさわやかな笑みを浮かべる(ただ、骸が浮かべてるだけで怪しい笑みになるんだけど)骸が入ってきて、「綱吉君、昨日の仕事の報告書です」なんてにべもなく取り出した。 「Buongiorno、」 そう言って骸はあたしの頬にキスを落とした(後ろで10代目があーと唸っていたけど、無視らしい)。 「あら、さっき過激な朝の挨拶は済ませたと思ったのだけれど」 「おや、手厳しい言葉を言いますね」 やれやれ、と骸は飄々と肩を竦めた。 「手厳しい?朝っぱらから体力を消耗させられたあたしの言葉にしてはとても優しいほうだと思いますけど」 「いやですねー、たったの3R付き合わせただけじゃないですか」 「多いだろ!!」 聞かないようにと目を逸らしていた10代目だったけれど、どうやら突っ込まずには入られなくなったらしい。 大変ねぇ、ツッコミ気質って。 「骸も朝から何を考えてるんだよ!」 「何って・・・ナニですかね」 「そういうネタはいいっ!」 あほかぁっと10代目はまるでちゃぶ台返しをするように言った(プロ級だ・・・)。 「それはともかく、早々に仕事の話にしましょう」 「全部骸のせいだった気がするのは俺のせいかな・・・」 「細かいことを気にしてはいけませんよ、綱吉君」 あ、セリフが被った(ちょっと悔しい)。 「だから細かくないってっ!・・ああ、もう二人ともさっさとご飯食べてきなよ!」 と10代目があたしと骸の背中を押して追い出した。 バタンと、ドアを閉められて、あたしと骸の視線が合う。 「・・・ご飯食べに行く?」 「そうですね」 苦笑をして歩き出す骸の隣を歩いた。 結局、あたしと骸はこんな関係だからこそいいのだと思う。 |