そこらへんのものじゃつまらない(というかあいつはそんなものたくさんもってる)。
高価なものだってつまらない(芸がないじゃない!)。

かといって、あ・た・し、なんて言ったらお父様が泣く。



「・・・というわけで、リボーンの欲しいものって何?」
「その前につく言葉はねぇのか」

「ああ、お誕生日おめでとう、リボーン」
何歳だったっけ。

ニッコリ笑ってヒラヒラ手を振ると、リボーンははぁと溜息を吐いた。


そんなことはどうでもいいから、さっさと教えていただきたいんですけど。
「で、何?」


「お父様と戦ってくれるなら」
間髪いれずに返してきた言葉に、あたしはニッコリと笑顔で言った。
するとリボーンがそれ以上何も言わずに押し黙った(誰だって氷河期に飲まれたくないと思うでしょう?)。



「ほら、明日はお父様の誕生日じゃない?」
「ああ」
だからね、とゴソゴソとあたしは鞄を探った。

「お父様の誕生日プレゼントはお母様と被らないようにして、結局ネクタイにしたんだけど・・・リボーンの誕生日って何あげたらいいのかわかんなくて」

ちなみにお母様はリボーンに手作りのボンゴレフィットチーネを作ってあげていた(リボーンの好きな食べ物だからなぁ・・・)。
今日も明日もケーキに料理にお菓子にたくさん作るのに、よく頑張るよなぁ、お母様。


それはおいといて、リボーンに何をあげたらいいか、だ。

「ありきたりなものじゃつまらないし、高価なものって芸がないし買えないし、あ・た・しとかって言ったらお父様に泣きつかれるだろうし」
「確かにな」
あたしの言葉にリボーンは納得したように頷いた。

って、納得されても困るんだって!


「で、何がいいの、リボーンは」
そう言うと、リボーンが考えるように手を顎にあてて、すこし黙った。


「・・・歌」

「は?」


ニヤリとリボーンが笑う。
「あるだろ、誕生日を祝う歌。あれでいい」

いや、そりゃ知ってるけどさ・・・何ていうか、あたし人様にお聞かせするほど美声じゃないよ?
そう主張してみるも、いいから歌え、と言われた。


「じゃあ、ちょっくら失礼しまして」
ゴホンとらしく喉を鳴らせて、それからリボーンの前に向いた。



「はーっぴばーすでーとぅーゆー」
全然英語らしくないけど、それでもリボーンは馬鹿にしないで聞いてくれた。

「はーっぴばーすでーとぅーゆー」
なんかさ、色々あったらしいけど、あたしとしてはリボーンが生まれてきたのはすごく嬉しいから。


「はっぴばーすでーでぃーあ、リボーン・・・はーっぴばーすでーとぅーゆー」
生まれてきてくれて、ありがとう。



「リボーン、誕生日おめでとう!」





La La La



( そうして私と貴方が出会えたということはなんと素晴らしい奇跡なの! )