「・・・髪型、OK。服、OK。スカート丈・・・もうちょっと短い方がいいかな・・・。顔は・・・もうどうしようもないなぁ・・・」 目的の場所の少し手前。 鞄から取り出した鏡を見ながらチェックをする。 顔はできることなら、欲はいわないけど、もっと美人だったら良かったのに。 言うなら、星野先生の好み、どストレートど真ん中、みたいな顔。 ・・・不可能とか言うな。 「こんにちはー」 「あら、ちゃん。おかえりなさい」 かしゃん、と音を立てて門をくぐった先にいたのは、お掃除中のせつな先生。 正しくは先生じゃなくて経理の人なんだけど、園児と遊んだり偶に先生もしてたので、先生って呼ばれてる。 ・・・相変わらず、見た目がまったくもって変わらない人だなぁ・・・。 「ただいま!星野先生は今日出勤日ですよね!」 ほぼ毎日来ているせいか、おかえりって言ってもらえることが若干くすぐったい。 「ええ。教室にいるはずよ」 「はぁい!わかりました!じゃ、また!」 その言葉を聞いて、会話もそこそこに教室に向かう。 だって、目的は星野先生なんだもの。 仕方がないじゃない。 「星野せんせー!」 がら、っと閑散とした教室の扉をあける。 もうこの時間帯になると園児が帰ってるから、お仕事の邪魔せずに手伝えるんだよね。 たまに延長保育の子はいるけど。 「おう、!おかえり!」 「えへ・・・ただいま!」 ぱっと輝いた笑顔にきゅん、としながら色紙を切っている星野先生に近づく。 「今何作ってるの?」 星野先生のたくましい腕にするっと腕を回す。 やっぱり歳の差のせいで子どもに思われてるってのもあるけど、全然嫌がるそぶりもされないのが嬉しい。 「ああ、明日のお遊戯の、っ」 ぴたり、と星野先生の言葉が止まる。 若干視線をさまよわせた星野先生があたしを困ったように見るけど、なーんにもわからないフリしてにっこりと笑ってみた。 うふふ。 うふふふふ。 実は、先日バストアップしたんだよ、先生。 1カップ上がった成長中な胸を星野先生の筋肉の付いた腕に押しつける。 星野先生が巨乳が好きという情報は夜天先生と大気先生からバッチリと頂いているし、星野先生の薄着の服だったら、ばっちり感触も伝わってるだろうし。 子どもだって思われちゃうのは仕方がないけど、でも、だけど女なんだって知ってて貰わないと。 「ねぇ、星野先生」 「・・・な、なんだ・・・? ・・・」 まだまだぎゅーっと押しつけてるせいか耳を真っ赤にした星野先生が戸惑いながら答える。 ・・・先生、この歳でそんなにうぶだなんて、逆に卑怯だわ。 「触っても、いいよ?」 にっこり、と笑いかければ真っ赤に染まり上がった顔に、あたしの心は満足感でいっぱいになった。 先生、大好きよ。 |