がらり、と可愛い絵の書いてある扉を開いた。 「ただいまー、夜天せんせー!」 「・・・ただいまって、ここはの家じゃないでしょ」 くるり、と振り返ったのは夜天先生。 わたしの大好きな人。 「でも、せつな先生はただいまって言ってくれるよ?あと、他の先生達もみんな」 「・・・まぁいいや。で?今日も手伝いに来てくれたわけ?」 「うん!」 夜天先生に会いたいがために、わたしはほとんど毎日夜天先生のお手伝いに来てる。 一回夜天先生がお休みの時に来ちゃって、大気先生のお手伝いをしたんだけど、そしたら翌日その月の出勤表のコピーを夜天先生がくれた。 それから毎月終わりに夜天先生が翌月の出勤表をくれるようになったので、夜天先生がお休みの日にはお手伝いには来てなかったりする・・・。 う、だって、夜天先生に会いたいだけなんだもん・・・。 「今日はこれ。切って」 「はぁい」 ばさり、とおかれた紙とはさみの目の前に座る。 動物が一杯描いてある・・・。 「・・・ねぇ、」 「なんですか?夜天先生」 首を傾げながら夜天先生を見上げると、夜天先生がにっこり・・・ううん、にやりと笑った。 「猫の鳴き真似してよ」 「にゃぁ」 「口、開けて」 「んにゃ、」 ぱ、っと口を開けたらずい、っと夜天先生の白い指が口に入ってきて。 (・・・あ) ぱく、っと反射的に口を閉じちゃった・・・。 「そのまま、閉じてて」 「んに・・・」 くく、っと夜天先生が咽喉で低い声で笑った。 女の人みたいに綺麗な先生だけど、こういうとこ本当に男らしい人だなぁ、って思う。 「・・・口あけて」 「にゃぅ」 っていうか、いつまで猫のまねをすればいいんだろう。 夜天先生が望むなら、いつまでだっていいけど。 「・・・本当に」 「にゃ?」 「従順だね、僕に」 「うにゃ」 凄く上機嫌な夜天先生に猫みたいに顎の下とか撫でられて、心地よさに目を閉じる。 ・・・先生が触ってくれるなら、あたし猫でもいいかも。 |