「遅い」
「悪かったって」

「みたらし団子30本ね」

「多!」


向かい合って、クスクス笑った。



「あー・・・えっと・・・」
突然、鵺が黙り込んで、ガシガシと頭をかいた。

待て。
何か、乙女っぽいよ、鵺。

なんてアホっぽいことを思ってると、鵺が顔をあげた。


「別に、信用してないとか、そんなことじゃなくてだな!」
「う、ういっす!」

力んで言われて、ついついのけぞった。
信用・・?
って、ああ、話聞いてたのかな・・・(盗み聞きかよ!)。

「噂はくだらないしだな」
「お、おーいえー」
「真面目に聞けっ!」
ゴス、と頭に拳骨が落ちた。
彼女に向かって拳骨はないでしょう・・・。



「好きだからな!」



超絶真っ赤な乙女がそこにいた。



「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・?」


「お」
「お?」

「乙女がそこにいるっ!」
「うるせぇ!」

真っ赤な顔で、また叩かれた。
痛い・・・。


「あー・・・うん。あたしも好きだよ」
「知ってるっつの」
「うん」
ブスっと膨れる鵺に言う。


「よし、どっか寄るか?」
「うん、みたらし団子40本ね」

「さっきの本気かよ!つーか増えてんぞ!?」

嘘嘘、とニヤリと笑った。





みたらしのように甘味に



( ひょっとしたら鵺ってあたしより乙女なんじゃないのかなぁ・・・ )


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