「着いたぞ、」 「鵺〜」 ソファに座る鵺の背中に向かって飛びついた。 鵺はあたしが一番大好きな人。 あ、もちろん特別って意味でね。 「、宿題は?」 わしゃわしゃとあたしの頭を撫でてから、笑いながら振り向く。 「さっき済ませた。エっちゃんも終わったって」 だから甘えるの〜て言って、ぐりぐりと顔を押し付けた。 鵺は中学1年生。 中学はあんまり宿題がないみたい。 いいなぁ・・・ていっても、あともうすこしであたしも中学になるけど。 そのときは、鵺もう高校生だしなぁ・・・。 また、力をいれて抱きついた。 つい先日雷の王になったばかりの鵺は、色々鍛えてるらしい。 なんていっても、玉璽をもらったわけだから。 とにかく、色んな人が狙ってくる狙ってくる、狙ってくる。 あたしたちをダシにされたことだって何度もある。 それから、鵺はあたしたちにA・Tを教えてくれるようになった。 すぐに逃げれるように。 「・・・才能って怖いよね」 ポツリ、と呟いた。 皆、鵺が予想した以上に上手かった。 それからBLACK CROWが出来た。 「あ?」 「ううん、何でも!」 聞こえてなかったのか、首を傾げた鵺に首を振った。 鵺は格好いいよなぁ・・・とぼんやり見あげた。 そういえば、あたしの周りには格好いい人がたくさんいる気がする。 鵺に、スピさんに、アキラ君に、ミツル君に、アイオーン君に、空さん。 実は3人目からは、鵺があたしが知ってるって知らない知り合いだ。 言ったら、多分怒られるし。 「そういえば」 鵺がテレビを見たまま、言う。 「ん?」 「シムカが、上手いケーキ屋を教えてくれたんだけど、行くか?」 「行く!!」 鵺の言葉に二つ返事で頷いた。 「鵺大好き!」 「はいはい」 二人で靴を履いて歩き出した。 |