こっそりと裏ルートで入手した写真を見ながら、あたしは一つ溜息を吐いた。
写真に写っているのは、白い髪(白髪じゃないからねっ!!間違えないように!)の少年、アレン・ウォーカー。

あたしの、想い人、です。



「なんて、きゃーきゃー、やっだぁー!」


二人で任務に行った時なんて、アレンってば紳士でひょっとして傍から見ると仲の良い恋人に見えちゃうのかなーなんて思ったり。

「階段を降りるときに手を差し伸べてくれるアレン、「どうぞ」なんて笑う彼にあたしは手をのばして微笑んじゃったりなんかしちゃったりして、それで周りの人が仲の良い恋人だなぁー、なんて」


あは、あはは。


「もーやっだーーっ!」



ドッカーーーーーーーンっ!!!!!


・・・あ。



!大丈夫ですか!?」
「あ、アレン・・・」
バンっと扉が開いて、そこには焦った顔をしてるアレンがいた。
部屋はさっきと全然違って、窓は割れ、家具は真っ黒に焦げて、壁はほとんど壁紙がはげた状態だった。

また、爆発しちゃった・・・。


「う、うん・・・あたしは怪我しないから・・・」

アレンも知ってるのについつい心配して走ってきちゃうらしい。
・・・アレンってば本当にやさしいなっ!

「それは知ってますけど・・・って、派手にやりましたね」
「うん・・・発動はしてないんだけどなぁ」
真っ黒になった室内を見て、溜息を吐いた。


これがあたしのイノセンス。
寄生型かよく分からないんだけど、体の中心にあってイノセンスを発動すると爆発する。
人間爆弾かぁ・・・一回爆発したら死ぬんじゃないの?って思ってたけど、あたし自身にけがはない。

つまりあれだ、何度でも爆発しろと。

って言っても、これ結構AKUMAの近くまで寄らないといけないから、けがはいっぱいするけどねっ!
で、その力なのですが・・・これが時々暴走するわけです。

「普通にイノセンスを発動すると、AKUMAしか消えないのにさ・・・。どうして暴走すると周りの家具に被害がいっちゃうんだか・・・」
しかも裏ルートで手に入れたアレンの写真も吹っ飛んじゃったよーっ!うわーん!!
「さぁ・・・よくわかりませんけど、兎に角コムイさんのところに行かないと、ですけどね」
「・・・うぅ・・・怒られる・・・」

部屋を壊すのなんて一回や二回じゃない(特にアレンを好きになってから爆発回数増えた)から、怒られるのは慣れてるんだけど・・・うぅ。
だってコムイさん、リナリーにはあんなに優しいのにあたしには問答無用なんだもんっ!!

ど、ドリルは嫌ぁあああ(何やらトラウマがある模様)。


「さ、行きますよ、
「へ?」
入口にいたアレンが、あたしに向かって手を差し伸べてくれていた。

「僕も一緒に怒られてあげますよ」
ね?と笑うアレンに、あたしは思いっきり飛びついた。


「あ、アレン大好きーーーー!!!」

っていうか、本当に好きなんだけどね!(なぜかそれは伝わらないっていう、この鈍感めっ!!)





恋する爆発少女



( 恋する音は、爆発音で君に届くよっ!! )


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