「いい天気ですね、」 「ソーデスネ、っていうか、何で重病者のアレンさんが外でお茶してるんでしょうね」 まだ頬や頭に痛々しいガーゼを張って、髪の先が焦げたせいで短くなったアレンが隣であたしの腰に手をまわしながら笑う。 腕やなんかも焦げてて、本当に痛々しい。 (けど、髪が全部焦げて燃えなくてよかったなぁ・・・と思ったのは、こっそり秘密である) 「しかも、何であたしがこんな格好っ!」 あたしの今の格好はあれだ、いわゆる男のロマンっていうか。 つまりは、メイド服である。 「あはは、可愛いですよ、」 「いやいやいや!こういうのはリナリーみたいな美少女が着るためにあるのっ!!」 あたしが着たら、本当にそのまま言葉の意味での目に毒だから! 「大丈夫ですよ。が全人類に不細工といわれようとも、僕だけはメイド服を着たも、メイド服を着てないも可愛いって言ってあげますから」 「すっごいけなされてる気がするんですけど・・・」 本当、魔王様が降臨されてから黒くなったよね、アレン・・・。 「それは兎も角。第一、から行ってくれたんじゃないですか。何でもしますって」 「何でもするとは言ったけどっ!ああ言いましたよっ!・・・ちくしょーっ!!好きにしやがれ!!」 メイド服だろうがナース服だろうがバニーちゃんだろうが、着てやろうじゃないかこんちくしょうっ!! どうせ黒アレン様にほほ笑まれた時点で、あたしの敗北は決まってるんだから。 あたしの反応に大笑いをしてたアレンは、傷に響くのか時々いたっと声を漏らしてた。 ゆっくり、焦げた肌に触れた。 「・・・ごめん、痛い?」 「ええ、ものすごく」 「はっきり言うなーっ!!」 普通ここは、痛くないですよ、っていうところじゃないのっ!? 「はっきり言いますよ。この傷が痛ければ痛いほど、の僕への想いが強いということじゃないですか」 「うっ・・・!」 そういうことまではっきり言わなくてもいいのに・・・。 にやーっとした顔をしてるアレンの見ないようにしながら、紅茶を飲みこんだ。 「それにしても・・・」 「何?」 「普通おとぎ話のセオリーから行けば、もう暴発することはありませんでした、っていうのが順当じゃないですか?」 「・・・すみませんねぇ・・・」 あたしの暴発癖は治ってません。軽くもなってないけど、酷くなってないところが救いというか。 だって魔王様が降臨しようと、アレンが大好きなんだからしょうがないだろちくしょー!! 「まぁ、僕への愛が冷めてないってよくわかって、いいんじゃないですか?」 「そういう結末へ持っていきますか」 「持っていきますよ?」 ニコーっとアレンが笑う。 っていうか本当にもう、全部が解決で、めでたしめでたしで終わらないのがあたしらしいなぁと思う。 まぁ、人生が終わったわけじゃないから、めでたしなんてないんだけど。 「好きですよ、」 クスクスと笑いながらアレンが唇をあたしの唇にくっつけた瞬間、アレンの手にあった紅茶が爆発したのは、言うまでもなかった。 |