白のレースが大量に入り、黒く、艶やかな布を膨らませている。
膝より僅かに上のスカートにフリルが付き、いわゆるメイド服で。
ガーターベルトに、物語のアリスが履いてそうな靴を履いて。


そんなことしてるけど、俺、一応男。


「・・・・・・・なんだけど、なんだか、自信がなくなってきたのは、俺だけかなぁ」


はぁ、と溜息を吐いた。

「それもこれも、全部秋良のせいだぁあああ」
うわーん、と泣きながら、隣に座っている秋良に抱きついた。

あ、いい匂い。
「え?え?」
秋良は落としそうになったお弁当を必死に支えて、首を傾げた。

く、可愛いぞ、秋良っ!!


「で、、いい加減、秋良から離れなよ」
「うっさい、ゆーじろー」
グリグリと頭を秋良に擦りつけながら、後ろでやけにキラキラしてる裕次郎に言う。

ちきしょう、お前は可愛くないんだよ。
それよりも、何で俺が、男、な自信がなくなってきたかというと。


「何かあったの?
坂本秋良。


俺が、秋良を好きになってしまったからである。

秋良は優しいから!とか、そんな気の迷いじゃない!
それだったら、笑顔を見るたびドキドキするもんか、こんちくしょぅ!!

イライラすると、煙草を吸いたくなってくる・・・あ、俺不良だからな〜。
皆は煙草なんて吸うなよ〜。

それは置いといて、秋良の傍にいれば、イライラすることもなくなった。
まぁ、理由付けはともかくとして、俺は、坂本秋良を好きになってしまった。

「なんでもないよ、大丈夫・・・秋良」


この学校は男子校で、勿論秋良も男なわけで・・・絶対に、受け入れられるはずないもんなぁ・・・。
俺の初恋は、あっさりと消え去ったぜ。

ふ、と溜息を吐いて、そろそろ教室に帰ろうぜ、という亨に頷いて、立ち上がった。


瞬間。


!?」

ぐらりと視界が歪んだ。
ぐるぐると視界が回る。
秋良と裕次郎と亨と実琴の叫び声が聞こえる。

あれ?


っ!!」

最後に秋良の声が聞こえて、俺は意識を失った。





これが俺の革命の日!



( 自覚の途端失恋だなんて、切ない恋だよな、本当に )


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