目の前で真っ赤になっている秋良に、俺はとうとう耐え切れなくなってきた。 「と、というわけだからぁあああああ!!!」 いやーー、俺のバカ!のバカバカバカ!(誰だお前) とにかく恥ずかしくて耐え切れなかった俺は逃げ出して、学校の方にやってきた。 「くっ、くそう!失恋したってなかないぞっ!」 ああ、でもせめてもうすこし時間を下さい。いや、うん、マジで。 そう思って、俺はあの日、俺が倒れた学校の屋上まで上がろうと一歩踏み出して、ふと振り返った。 「あ・・・?」 その目線の先にいたのは、凄い速度で走ってる・・・・・・・・・秋良。 まごうことなき秋良だ。 短距離選手も真っ青☆なんて速度で思いっきり(しかも何か凄い形相)で走ってくる秋良(ああ、そういえば体育の成績良かったよな!)。 「って、そんな場合じゃねぇっ!」 はと我に帰って、俺は屋上まで走り出した。 はっはっは!俺だって走りなら負けねぇぜ!! と、何だか俺はピントのずれたことを考えながら屋上に向かって走っていった。 「っふぅ!ゴール!選手一着です!!あー久し振りにいい汗かいたなぁ」 「良かったね、」 「おうっ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」 えっへんと胸を張って返事をして、それから振り返ったら、いらっしゃったのは秋良さんでした(何か後ろに怖いオーラが見えるんですけどっ!!)。 ジリっと秋良が一歩近づいてきて、俺は反射的に後ずさった。 「は脚速いよね」 「あ、あはは・・・それほど、でもないっすよ、うん・・・」 ははは、はは。 秋良、頼むからその後ろにある腹黒オーラをなんとかしてください。 ついに俺の背中はフェンスへとついてしまって、後がなくなった。 「あのね、・・・」 「べ、別に泣かないから安心しろよ!」 秋良が口を開く前に、俺は叫んだ。思いっきり叫んだ。 「フラれても、そんな日もあるさって俺は泣かないからな!ピーピー泣かないから安心して振ってくれ!さぁ、振れ!!」 よっし、覚悟はできたぞ、満タンだこんちくしょー!と叫んで、俯いた。 ちくしょう、俺は何言われても泣かないぞこんちくしょぃ! 「・・・振ってほしいの?」 変な、と言われて、俺は急いで顔を上げた。 「・・・・・・・・・・・・は?」 あれ?腹黒オーラが消えてる・・・。 ちょ、ちょっとまて・・・なんかそれって・・・。え?あれ?俺自惚れちゃうぜ? 「オレさ、が男の時から好きだったっていったら、引く?」 ニッコリ笑って首を傾げる秋良に、俺の目からジンワリと液体が溢れ出た(涙って言えよ)。 「引くわけないじゃんかよ、バカぁ〜!!」 うぅう、何なんだ俺の独走っぷり〜と泣いていると、秋良が抱きしめてくれた。 |