今日、六道骸、城島犬、柿本千種が転校してきた。 ・・・けど、あたしにはどうでも良いことだった。 「でね!柿本君は身長高くって無口で、城島君はワイルドな感じで、でも子供っぽくて。でねでね!六道君は髪が藍色で、すっごく格好いいんだよ!あれってハーフなのかな?」 「へー」 隣で友人がうっとりとして語ってるけど、どうでも良かった。 だって、美形三人組なんて・・・ねぇ・・・。 「もー!ちゃんってば、何でそんな気力のない返事なの!」 「だって興味ないもん」 信じられない!と声を上げる友達をあっさりと一閃した。 男よりもあたしはゲームの方が大切だと思うんだ、うん。 誰だ、さびしい女って言ったの。 「まぁいいんじゃない?ただでさえ多いライバルを増やすこともなかろうに」 「別にライバルとかじゃなくて・・・。ちゃんはもっと普通の男の人に目を向けるべきだって言ってるの!」 普通の男の人に目を向ける・・・ねぇ。 「じゃあ、あたしが例えばあそこにいる女子に混じって『きゃぁwこっち向いてぇ、骸くぅん!』とかって言ったらどうよ」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん」 そうだろう、そうだろう。気持ち悪いでしょうが。 あっさりと頭を下げて謝った友達に軽く笑った。 目を向けなさいとか色々言われるだろうけど、きっと淡白なあたしには無理なんだろうな・・・ごめん、友よ。 執着することがあんまりなかったあたしは、これからものんびりとした普通の日々を過ごしていくよ。 「でも、本当に六道君って格好よいんだよ?某美形集団も目じゃないって!」 「うーん・・・某美形集団って区別が付かないんだって」 うん、ファンのみんなごめんね。 とりあえずまったく持って乙女な思考を持ちえてないっていう人間だから。 「城島君もワイルドだし」 「ごめん、あたしの好みってきっと堅実なサラリーマン」 「・・・柿本君も寡黙だし」 「あー・・・静かなのはいいけど、静か過ぎるのも息が詰まるよねぇ・・・」 指を立てて必死に説明する友達に、あたしはボンヤリと答えた。 「何でそんな子に育っちゃったのっ!そんな子に育てた覚えはありません!」 「親は無くとも子は育つが我が親のモットーだから」 「・・・っ、なんて親っ!」 くぅっと歯を食いしばる友人をボンヤリを見ていた。 ちなみにこれがいつものテンションである。 「それにしても、六道骸って変な名前だねー。六道輪廻じゃあるまいし」 ってことは、死体が六道を巡るってことなのか?趣味悪い名前だな。 「それは今更でしょ、ちゃん。・・・というか、聞きたかったんだけど」 「何?」 ゴクリと友達が唾を飲み込んで真剣な顔をした。 「六道君をはじめとする3人が転校してきたのはこのクラスだってこと、分かってる?」 「初耳」 |