玄関の次に大きな扉を開くと、そこには大きな食堂があった。 ここ、ボンゴレファミリーのボスの綱吉君が、食事は皆で取ろうと言い出して、それから食事の時間が決まるようになった。 もちろん、仕事とかがあるからいつでも食べられるようになってるけど。 「おはよーございます、さん」 入口付近の席に座ってたのはハルで、ブンブンと手を振るからあたしも振り返した。 「おはよう、ハル」 後ろにビアンキもいたから一緒に挨拶をする。 恭弥君がボンゴレに入るっていうからあたしもついていった。一応幹部っていうのについてて、主に恭弥君の補佐なんだけどね。 マフィアに入るきっかけは10年前にリボーン君にスカウトされたからなんだけど。 10年経ってもかわらないね、と何故か言われる(それって今だに馬鹿ってこと?)。 それは置いといて、あたしは今日、凄く気分が良かった。できるならスキップしてしまいたいくらいに。 「おはよう、」 「おはよう、綱吉君」 恭弥君はどこかなぁと探していると、綱吉君が近くにやってきた。 グングン身長が伸びて髪も伸びて(昔のハネていたときより少しは落ちついた髪になっていた)凄く大人っぽくなったと思う。 綱吉君の笑顔に癒されました、とか、一生ついていこうと思ったとか、そんな人も一杯いるらしい。 「何だか機嫌がいいみたいだね」 「うん、そう!とてもいいことがあって」 後で教えてあげるね、というと綱吉君は「楽しみにしてるよ」といって笑った。 今日の天気みたいに、あたしの心は凄く晴れていて、とてもウキウキだ(あれ?ウキウキって古い?)。 兎に角、あたしは嬉しすぎて、ひょっとしたら幸せ絶頂な顔をしているかもしれない。 「何か、凄く嬉しそう」 「うん、凄く嬉しいの。・・・そういえば、恭弥君は?」 この食堂は本当に広いからどこにいるのかわかんなくて、というと綱吉君があそこだよ、と指差してくれた。 そこには隼人君たちの近く(でも会話には参加していないみたい)で食べている恭弥君の姿があった。 「ありがとう」 じゃあ行くね、といって今日のオススメを貰って恭弥君のところに向かった。 「おはよう、武君、隼人君」 「おはよ、」 「おはようっす」 武君と隼人君は小さく会釈してくれた。 それから恭弥君の目の前に行ってカチャ、と小さな音を立ててお盆を置いた(何だか給食みたいだなぁ)。 「おはよう、恭弥君」 「おはよう、」 えへーっと笑うと恭弥君が少しだけ笑った。 ・・・って、幸せに浸ってる場合じゃなかったよっ! 「恭弥君!実はご報告がありましてですね!」 「何?」 突然慌てて立ち上がったあたしに、恭弥君が首を傾げた(抱きしめてしまいたいくらいにかわいいなぁ、くそぅ!)。 「あのね、恭弥君」 スーハーと大きく深呼吸をした。 「妊娠しました」 |