パチパチパチ、と小さな音が鳴り響いた。 「いやー、おめでとうございます。ジャスト12時ですね」 これで来なかったら、本気で誘惑してやろうかと思いましたよ。 室内にいるあたしと骸君は、にっこりと微笑んだ。 「ハル、良かったねっ!」 「う、さぁ〜ん!」 ハルは、ハルは幸せですぅ!!と泣きつくハルを抱きしめて、あたしは綱吉君ににこりと笑った。 ふっふっふ、一泡吹かせる作戦は・・・成功、ね。 「蹴ってやろうかと思うくらいにじれったかったのがやっと終了だな」 あと骸、誘惑したら殺されるぞ?綱吉に。 リボーン君が楽しそうに笑った。 「皆・・・」 聞いてたの、と綱吉君が真っ赤な顔をして、蹲った。 青春だなぁ・・・って、24にもなってだけど。 「でも、ボンゴレ二大ニュースが幸せなニュースでよかったね」 「の出産と、綱吉君とハルの結婚、というところですか」 「はひぃ!それは気が早すぎますっ!」 同じく、綱吉君みたいに顔を真っ赤にするハルに、あたしたちは笑った。 「っていう会話をしたのが、6ヶ月前だったよねぇ・・・」 うふふ、とあたしは腕の中で恭君を抱きながら言った。 早いもので、もう6ヶ月がたって、あたしは無事出産することができた。 ちらり、と隣のハルに視線を向けた。 ハルの隣で綱吉君は、バツが悪そうに苦笑していたけど。 「・・・さすがに、6ヶ月で妊娠は早いと思うんだ、あたし」 そりゃね、ずっと10年間一緒にいたんだもん。 恋人の期間が短くたってね、うん、全然おかしくないよ。 「何て言うかっての!綱吉君の野獣!」 「や、やじゅっ!」 可愛い顔して実はってやつなんだね!っていうと綱吉君はガーンと音を立てて落ち込んでしまった。 あ、言い過ぎた、かな。 でも、あの笑顔で色々と食えないことを言ったりしてる人だから、これくらい仕返ししたっていいと思う。 「ハル。嫌なときは嫌って言わないと駄目だよ!」 じゃないと子どもなんて2・3人すぐ出来ちゃうんだからね! 「は、はひ・・・」 あたしの剣幕に押されたようにハルは戸惑いながら頷いた。 うん、よしよし。 「でも、早く生まれて、恭君の弟妹になってくれたらうれしいな」 ね?とハルのおなかに向かっていった。 たくさん優しい人がいて、たくさん愛するお母さんとお父さんがいるからね。 君も、安心してでておいで。 |