正直言って、あたしはあたしに自信がある。 ・・・何よ、その目。 仕方がないじゃない。 星野先生のために毎日可愛さの研究をして、お肌のケアとか髪のケア(無論染めたことなんて一度もない)をして、爪を綺麗に整えて、ストレッチをして、バストアップ運動もして。 それだけ毎日手間暇にお金をかけて磨き上げてきてるんだもの。 評価されて当然だわ。 ・・・まぁ、星野先生には評価されてるのかどうか微妙なところなんだけど。 「・・・あれ?夜天先生」 「・・・ああ。、おかえり」 珍しく入口に出てきている夜天先生を発見して、近寄る。 「ただいま、夜天先生・・・って、あれ?今日、夜天先生お休みの日じゃ・・・」 頭の中でシフトを思い出してそう言うと、夜天先生がちょっと驚いた顔をした。 ちなみに、あたしはキンモクセイ組のみならず、つき組、ちきゅう組、がいぶ組、園長先生、経理のせつな先生全てのシフトを把握しているのである。 ・・・べ、別に事前に邪魔が入らないように考えてるとか、そんなことじゃ・・・。 ごほん。 「よく知ってるね・・・まぁいいけど。今日は星野が風邪をひいたから、代わりに出ることになったんだよ」 「星野先生が風邪!?」 「そう。それであの星野の生活力が若干気にかかったから、誰かにでも見てきてもらおうかな、と思ったんだけど」 そう言ってちゃらり、と目の前に出されたのは、銀色の鍵。 ・・・ひょっとしなくても、これ、は。 「欲しい?」 「欲しいです!」 ガシ、っと思いっきり素早い行動で鍵を掴む。 このチャンスを逃してなるものか! 「じゃ、よろしく。その様子じゃ住所も知ってるでしょ?」 「・・・うふ」 夜天先生の言葉に、そっと目を逸らした。 べ、別にせつな先生に教えてもらったりとか、そんなことはないんだから。 ・・・うふ。 「いい加減、僕も星野を見てて若干気のどくにならなくもなかったりするんだよね・・・まぁ、本音言うとどうでもいいけど」 「さっくりと最後に台無しにしましたね、先生」 わざとそんなことを言う夜天先生に首をかしげつつそう言うと、にやりと夜天先生が笑った。 「女、になってきたら?」 「・・・がってん、兄貴」 にやりと笑う夜天先生に、あたしは思わず敬礼をしていた。 |