「・・・今着てる服良し、替えの服良し、下着良し、匂い良し、看病グッズ良し、ハプニング予定良し!」
小声でブツブツと確認しながら、道を歩く。
走ると汗をかいちゃうので、ゆっくりと歩きながら星野先生の家へと向かう。

お父さん、お母さん。
ついにあたし、宇都木は、女になります・・・!!

折角夜天先生からの応援(まぁ、本音はあの子と過ごすために追い払いたかったんだろうけど)もいただいたことだし、あたしはしっかりと家に帰って準備をしてきた。
露骨な格好とかは結構星野先生は嫌いだったりするので、一見清楚に見える服を着ている。
そのあたりは、看病、の動作に対応して所謂、チラ☆ができるようにしてあるわけで。

ちなみに、家に帰った時にいたお母さんには、ちゃんと星野先生の状態と、看病に行くことと、そのまま泊まってみせるから!と言ってある。
こういう時理解のある親っていいわよね。




「・・・ここだ」

たどりついた先は、結構オシャレなマンション。
鍵を持ってるから正面玄関も突破して、エレベーターに乗って、今、扉の目の前にいる。

「・・・お邪魔、しまーす」

がちゃり、と扉を開いて玄関の中に入る。
そこから見える室内は少し乱雑な感じにものが置かれてるけど、基本的にスッキリした部屋だった。
(・・・もっと、ごちゃごちゃしてるかと思ってた)
とりあえず玄関のカギを締めて、靴を脱いで室内に入る。

「・・・と、ここが、寝室かな?」

そう思って扉を開けば、想った通り寝室で。
ベッドの上で寝ている星野先生がいた。


「う・・・やてん、か?」
気配に気づいたのか目を開いた星野先生から見えるように近くに走り寄った。
「先生」
「・・・あ?・・・・・・って、っ!?」
「わ!起きちゃダメだって、先生!」
ガバリ、と起きそうになる星野先生の肩を掴んで、ぐっと押した。
「っ、う、げほっ、げほげほっ・・・!!、なん、で・・・ここ、に・・・!」
そう咳で涙目になりながら訪ねてくる星野先生に、片手に持っていた袋を持ち上げて見せた。

「看病しに来ちゃった」





ステップ2
どんなハプニングにも対応しましょう



( 少し感じる違和感、そうして膨れ上がる思いは、きっと恋 )