結局警察が来た時もずっとストーカーの女の人は気絶したままで、連行されるっていうより運ばれるって感じだった。 ストーカーとか、不法侵入とか傷害罪とか、リョーマくんが警察の人と色々話をしてたけど・・・よ、よくわかりませんでした。 「そういえばリョーマくん、えっと・・・離婚、しないの?」 あの事件から3日くらいたって。 一向に離婚届を出しに行こうとか言いださないリョーマくんに思わず聞いてしまった。 さ、流石に結婚してることを忘れてるってことはないだろうし。 「流石に2、3週間で結婚したらおかしいし、騒ぎになるでしょ」 「あ、そ、そっか」 そういうものなのかな。よくわかんないけど。 「―――っていうのは嘘だけど」 「・・・うん?」 嘘?何が嘘? 首を傾げると、リョーマくんが小さな声をあげて笑った。 「ねえ、・・・そろそろ、気付くもんじゃない?」 「気付くって、何が?」 「何で俺がストーカー対策に結婚することにしたか、とか」 「結婚届けを勝手に出されないため、だよね?」 どうしても、何も。 リョーマくんがそう言ったよね? 「役所に申し出をすれば、結婚届けの受理を防止することはできるから」 「そうなんだ!リョーマくんって詳しいんだ、ね――――――え、」 あれ、あの・・・それだと、結婚する意味って無いような気がするんですけど。 「本当はさ、もっとさっさとストーカーには諦めてもらって、何かしら理由を付けてゆっくり落としていくつもりだったんだけど・・・俺も、まだまだだね」 「・・・えーっと・・・リョーマくん」 「何?」 「リョーマくんの発言から導かれる結論がさっぱりわかりませんのですが?」 私みたいに論点が外れちゃって、結論が違うところに言っちゃってるってわけじゃないんだよね? リョーマくんの言葉の意味がさっぱりぽんでわからないんですけども。 「そうだね・・・簡単に言うと、16歳になったをさっさと俺のものにするのはどうすればいいかって考えてたら、丁度ストーカーに遭って、それで結婚を思いついたんだよ。・・・まあ、流石にここまで酷いとは思ってなかったけどね、あのストーカー」 16歳、いや、うん、確かに16歳過ぎてるから結婚できてるんだけど、俺のもの?ストーカーで結婚を思いついた? ストーカーが酷いとは思ってなかったって、ストーカーに遭い始めたのは2、3カ月前だったらしいし、二週間に1回くらいしか婚姻届届かなかったらしいし。 ―――って、いやいやいや!あえて論点ずらしてる場合じゃなくって。 えっと、あれ・・・それって、なんていうか。 「リョーマくんが、私のこと好きって言ってるように聞こえる・・・」 って、流石にこれは自惚れか・・・。 「そう言ってるんだけど」 「・・・わっと?」 「だから、What?だよ」 聞き間違い? ―――じゃ、ない・・・よね? 「、好きだよ。・・・そろそろ、俺におちてくんない?」 ぎゅ、とリョーマくんが抱きしめてくれる。 な、なに、それ・・・なんだ、それ・・・。 だって、だって、そんなの。 「もう、十何年前からリョーマくんにおちてたよ・・・ばかっ!」 「・・・もしかしたら、おちてたのは俺の方かもね」 リョーマくんの背中に腕を回して、ぎゅっと思いっきり抱きついた。 アンハッピーエンドが最後にどんでん返しが起きてハッピーエンドになるなんて、そんなの聞いたことないよ。 「リョーマくん・・・好きです」 |