?」
ベットに寝転がって雑誌を読んでいた鵺が、起き上がって招き入れてくれた。

「どうした?何かあったのか?」
優しいなぁ、鵺。

そりゃ、あれだけのたくさんの子たちの世話をしてるんだもんね。
(そう考えると、凄いな鵺)


「えーっと、あの・・・その」
「ん?」
言いよどんだあたしを促すように、鵺が首を傾げた。

いや、あの、ちょっと・・・言うの恥ずかしいな、これ。


「一緒に、寝てくれませんか・・・?」

ポツリ、と小さい小さい声で喋った。
けど、やっぱり夜だし静かだし部屋で至近距離のせいか、しっかりと聞こえていて。

「は?」
鵺は思いっきり首を傾げた。


いや、うん、そりゃおかしいってことは分かってるよ。
分かってるけど、でも。
「その、怖くって」
「何が?」
何がっていわれても、困るんだけど。

あたしは明確にその何かを答えることなんて出来なかった。
(だって、死が怖いとか、そんなの言ってもあれだし)



「ゆ、床で寝るから!あたしのことは置物か何かだと思って気にせずに!」
ほら、下は土とかじゃなくてフローリングにさらにカーペットがあるんだから大丈夫だ、うん。
ちょっと痛いかもしれないけど、独りよりはマシだと思う。

「え、や、ちょっと、おい!」
「それじゃあおやすみなさい!」
ごろんと床に転が、ろうとしたけど、腕を掴まれて阻まれた。


「待てっての」
はぁと鵺が大きな溜息を吐いた。


あ、そうか。ここじゃ起きたときに邪魔になるよね。
どうしようかと思っていると、鵺がポンポンとベットを叩いた。


、ここで寝ていいぜ」
俺が床におりるっつの。と鵺がベットから降りようとして、あたしは思わず鵺を押した。


「だ、ダメだって!それは鵺のベットだし!」
所有者が使うべきです、さぁどうぞ!
というけど、鵺は渋い顔をしたまま寝ようとしなかった。


む、むぅ・・・どうすればいいんだろう。





独りでいないために



( 床でいいから、床で!っていうか立っててもいいし、うん! )