「で、一体どうしたんだよ」


とりあえず話し合おうといわれて、あたしは鵺と一緒に床に座った。

「え、えっと・・・あー・・・」
どうしよう・・・怖いとか言ってもわけわかんないだろうし、甘えるのもどうかと思うし。
答えをあぐねいていると、ポンポンと頭を撫でられた。

こ、子どもの扱いなれてるなー・・・鵺。


、別に言いたくなかったら言わなくてもいいんだぞ?」

また、甘えた。
「ご、めん・・・」
「謝んなって」
夜だから小さくケラケラと笑う鵺に、あたしはもう一回謝った。




「で、どうしようか」
どうやら鵺の中からは部屋に戻るって選択肢は消えてるみたいだった。
まぁ、戻っても眠れないんだけど・・・。

「ベットは一つだし、これから出すのも音がするだろうしな・・・」
チラリと外を見て、鵺が溜息をついた。また迷惑かけた・・・(でも眠れないんだよなー)
寝ないっていうのもありだと思ったけど、下手に心配かけちゃいけないし。


「流石に―――」
突然、鵺が顔を真っ赤にした。


「鵺?」
な、何・・・?発熱?こんな突然に?あーとか、うーとか呟いて、ガシガシと頭を掻いた。
「だ、大丈夫?鵺」
何、何でこんな不可思議な行動をするの・・・?


「いいか、!」
「は、はい!」
突然大きな(とは言っても外に聞こえない程度だけど)声で言われて、あたしは身を竦めた。
凄く必死そうな目があたしを見る。


「別に、やましいことを考えてるわけじゃねぇからな」
「へ?え?」

「仕方ないんだからな。その、何にもしねぇし!」
「は、はぁ・・・」


いや、だから何が。


「・・・・・・・・・・・い、一緒に寝るか?」
ベットで。目を逸らして気まずそうに鵺が言った。

・・・・・・・ベットで、二人で。



「ああ。その手段があったんだ」

ズルリと鵺が見事コントのように滑った。


ぶつぶつと鵺が、年頃の男と一緒に寝るなんてどういう神経してるんだとかって呟いてた。
でも鵺がそんなことする人だとは全然思わないし、何か鵺って・・・お父さんみたいだし。

結局二人で一つのベットに入って雑魚寝することになった。



横にある鵺の顔を見ながら、あたしはこの先のことを考えた。
だってこのまま鵺のところに世話になったら迷惑だから、どこか家を探して、出て行かなくちゃいけないんだから。

甘えてたらいけない。


「・・・ごめんなさい」

甘えてたら、甘えさせてもらってたら、あたし鵺から離れられなくなっちゃうよ。





何度ごめんねを繰り返したら



( あたしは甘えを捨てて一人立ち上がることができるんだろう )