やけに晴れた次の日は、いつも嫌な予感がしてた。




「そ、それは・・・何といいますか、その・・・」
「だよね!?ひどいよね!?奈々ちゃん!!」


トゥール・トゥール・トゥの本部で、あたしは奈々ちゃんに愚痴っていた。
それもこれも、今日の朝の鵺の態度だ。

まるで何にもないように、さらりとしやがって・・・!!!


「落ち着いてください、さん」
そっと、奈々ちゃんの白くてきれいな手が、あたしを包んだ。
ニコリ、と笑う微笑みは、まるで聖女みたいだ。
「こうやって、私に話していることを、鵺様に話してみてはいかかですか?」

「え・・・いやいやいやいや、無理無理、ノンノンノンノン!」
絶対に無理!と大きくブルブルと顔を振った。




トゥール・トゥール・トゥに、正式に加入してから、奈々ちゃんやはこちゃん、このみちゃん、枢ちゃんと仲良くなった。
特に、奈々ちゃんとはかなりの仲良しだ。

皆美少女の上に、スタイルいいし・・・いいなぁ・・・。

今日ははこちゃん達がお出かけしていて、本部には二人だけだった。
「嫌って・・・はないと思うんだけど」

そりゃ、嫌いな人抱きしめてくれたり、慰めてくれたり、心配したりはしないだろうけどね、うん。
でも、やっぱり、言葉にしてくれなきゃ、わからない。

「あたしはきっちりと言葉にしたっていうのに、あーもう!鵺の大馬鹿!!」
嫌い、っていうか、幼馴染にしか見えないなら、それでもいい。

なら、そう言ってって話なのよ!!


「鵺のばっきゃろーーーーーーー!!!!!!」


ギクシャクするならまだしも、何にもアクション無しって何!?

・・・ギクシャクされても困るけどさぁ・・・。


「でも、さん・・・。一度話してみないと・・・」
いいにくそうに、少し俯いた奈々ちゃんに、う、と言葉が詰まった。
この、奈々ちゃんの心配そうな顔に、非常に弱い。

「そりゃ、そうなんだけどさ・・・」
ポツリ、と呟くと、奈々ちゃんがニコリと笑った。
「では、言ってみましょう?」
そんな奈々ちゃんに可愛いなぁと思っていると、突然、巻上先生の声がした。


、奈々。そこにいる?』


少し、どこか慎重な面持ちの巻上先生に、思わず、顔が真面目になる。
「はい、います」
奈々ちゃんが答えると、巻上先生は、少し眉間に皺を寄せる。
何だか、嫌な予感がする。

「あの、何かあったんですか・・・?」

聞くな、聞いちゃいけない。聞いちゃ、いけない。

点滅ライトが、ピカピカと、音付きでなった。




『“エネミー”よ。・・・「雷の玉璽」が大破Lv5・・・今すぐ保健室に来てちょうだい』





鳴り響く鼓動、鳴り続ける警報



( 出来ることなら耳を塞いで、何も見ないでいたい )