よっし!反撃です!!


「というわけでGO!鵺!」

「人に乗るな!!」


着替えて、じゃあ行こう!ということで後ろから飛びついたら、怒られた。

もう、さっさと行くんでしょ?

「じゃ、行こう!鵺」
お姫様抱っこ、というなんとも恥ずかしい形で、抱き上げられて、空を飛んだ。
現場・・・もとい、その相手がいる場所へと進む鵺の顔は、真っ直ぐ空を見つめている。

やっぱり。
「鵺は、空を飛んでるのが似合う」
呟くと、鵺はあ?とこっちを見てきた。
ガラ悪いなぁ・・・。

「だーかーら!空が似合うって言ってるの!」
バーッカ!といって、そっぽを向いた。

「行くぞ、


「ん」



息を吐く。
やり方はさっき、奈々ちゃんに教えてもらった。

「・・・お楽しみんとこ悪ィが、あいにくソイツとは俺のが先約だ」

キュルキュルと音がして、ワイヤーが動き始める。
「起動率60%。展開中。・・・各ホイール、周回幅波増大中」
ぎゅ、と一度だけ唇を噛んで、無理矢理口元だけを笑わせた。

「数値全部問題なし!Let’s Go!鵺」
ビシィ!と長髪の人を指して言う!

「おう!」
鵺の答える声が聞こえて、周りの音は、強く、回転する音に変わった。

ワイヤーが男の人を捕らえる。
そして、鵺の意志に従うように、走る稲妻。

こんな間近で雷を見たことなんて無かったけど、恐怖なんて湧かなかった。
きっと、天気の雷が傍に落ちたなら、恐れて、腰が抜けたかもしれない。
でも、この雷は、鵺の雷だから。

怖くないあたしって、現金だなぁ・・・。

「はぁっ、は・・・、はっ・・・。へっ・・・ちょい焼き加減が足りなかったかよ?」

息を切らせて言う鵺に、内心、焼き加減ってミディアム?って思ったのは秘密。
ともかく、あのワイヤーで吊るされてる人は放っておいて、帰ることになった。




「あー!疲れた!」
部屋で大きく手を伸ばした。
何だか、今日はめまぐるしく進んだ気がする。

身体を捻ったりしていると、突然、コンコン、と窓を叩く音がした。
シャ、とカーテンをあける。


「・・・鵺?」

そこには、苦笑してこっちを見てくる鵺。
急いで窓を開けると、鵺は手を差し伸べて、言った。

「ちょっと話そうぜ?」





君の雷は青白く暖かい



( だってそれは君の光だもの!怖いはずないわ!! )