「寒いか?」
「う、ううん!だ、大丈夫・・・」

家の屋根の上に連れて行かれて、鵺のマントの中に入ってる。

つまり、あれですよ!鵺の顔がすぐ傍っていうか、なんていいますか!!


・・・?」

「ひゃい!?」

突然、話し掛けられて声が裏返った。
さ、最悪・・・!!


「・・・っく、あははは!!」
「わ、笑うな!!」


憚ることもなく笑う鵺の頭を小突いて、むっすーと膨れた。
ど、どーせ、似合わなく緊張してますよーっだ。
何だよ、このスケコマシめー。絶対に余裕ありまくりだろー・・・。

ブツブツと呟きながら愚痴を言っていると、悪い悪い、と鵺が苦笑いしながら言ってきた。
目に涙を溜めてていっても、説得力無いって!



「・・・で、何?」
ぶす、と膨れたまま言うと、鵺はああ、とやっと元に戻っていった。
「今日、おつかれ」
あんなの見たの初めてだろ?
といわれて、思い出して、少し瞼を伏せた。

危ないことに突っ込んでるっていうのは知ってたけど、中々シビアな感じだ。
雷によって焼け焦げた男の人の匂いを思い出して、少し、気持ち悪くなった。

「A・Tってのは、あんな世界だ」

「っ!それでも、あたしは関わる!絶対に関わるからね!!」

止めようと思ってるんだ!
そう思って、あたしは声を荒らげた。
鵺が関わってるのに、あたしだけ安全な場所にいれない、鵺を助けたい。


「悪ぃ、悪ぃ。そうじゃねぇよ」
くく、と笑って、ポンポンと鵺はあたの頭を叩く。
その笑顔を見ていると、なぜか和んでしまって・・・って違う!!

「じゃ、じゃあ、何で」

そう問うと、鵺は、ああと苦笑した。
「何から話そうかと思ったら、何か話題転換しちまったんだよ」

本題な、本題。
そう言って、鵺があたしを見る。

・・・まて、生娘か!?あたしは!!

見つめられたってだけなのに、心臓が凄くバクバク言ってる。
それは、多分、鵺の視線が何時に無いほど真剣で。


だから、自然と顔が赤くなっていった。




「俺は、のことが好きだ」





君の仕草、表情、全てが僕を魅了する



( その目に見つめられるだけで、それが幸せになる、なんて現金なやつ )