「空さん!!!」

「うぉ!!」


バッシーンと思いっきり空さんのところに行くと、凄く驚いたような顔をした。
何、その幽霊でも見た!みたいな顔!!

、この時間やったら、学校やないんか?」
「まぁまぁ、その辺は突っ込まずに。それよりも!空さんにお願いがあるんだけど!!」
時計を見ながら首を傾げた空さんに、思いっきり詰め寄る。

「わ、わいに・・・?」
「鵺が知らなくて、鵺よりけっこうな実力者で、修行してくれる、信用できる人っていない!?」
「はぁ?」

ズズイ!と詰め寄って叫ぶと、凄く驚いたように空さんは目を見開く。


「ははーん・・・もしかしなくとも、家出やな?」
「うぐ!!」

そ、そりゃ、あからさまだもんね・・・バレちゃうか。
それに、こんな大荷物、普段持ち歩かないし。

「あかんで?鵺が心配するやろ」
「そ、それはそうですけど・・・でも!ぶっちゃけ言うと、いい女になって鵺を見返してやるんです!!」

だから、と息を吸った。


「協力・・・しますよね」
ミツル君直伝、笑顔で鉄パイプを握りつぶし。
「・・・は、はい」




「三峰将・・・って、あのジェネシス関西支部の、轟の王がいるっていう!?」
「そや」
あたしの説得(脅しとも言う)で、協力してくれるといった空さんは、携帯で連絡をとってくれたらしい。

「てなわけで、これからには京都まで行ってもらう」

「京都!?」


いや、たしかに、傍から離れて、鵺を見返そうとは思ったけど。
京都って・・・そんなお金無いんだけど・・・。

「心配せんでも、小学生にお金ださせたりなんてせんわ」
これが連絡先や、と言われて紙とお金を渡された。

「こんなに・・・」

結構重たい。
こんなにもらってもいいのかなぁ・・・。

「土産分もや。ええ女になるんやろ?」
空さんがニヤリと笑う。


「・・・はい!」





恋する乙女は何よりも強い!



( 待ってなさいよ、君が驚くくらいいい女になってやる )