着いた場所は、大きな倉庫見たいなところでした。

何だろう・・・何だか、凄く某教師と生徒ドラマ2の喧嘩シーンで行く倉庫よりも、おっきいよ。
ここに来る途中で、色々凄い壁もあった。

やっぱりあたしもライダーなんだなぁ・・・って思ったり。




「す、すみませーん・・・」
重い扉を開いて、あたしはこっそりと中へ入った。

いや、別に不法侵入じゃないよ!?
というか、本当に空さんは連絡してくれたのかなぁ・・・。

信用してないわけじゃないけど、倉庫の中のA・Tの傷跡を見ると、凄さが分かる。


「わ」

「きゃああああああ!!!!!」


突然、後ろから声がして、あたしは思いっきり叫んだ。
ものすごく、思いっきり叫んだ。

「ごごごごめんなさいぃ!!別に不法侵入したわけじゃなくって、いや、本当にっ・・・って、え?」
思いっきり叫んでから、あたしは後ろを振り返った。

そこには、眼鏡をかけたお兄さんが一人。
あと、その横には、長身の格好いいお姉さんが一人。

「あんさんが空はんの言ってた、はんどすか?」
「あ、はい!」
そのお姉さんの方が話し掛けてきて、あたしはビシっと背筋を伸ばした。

何だか、ものすごくキレイな人だ。


「わいが、ヨシツネ。轟の王や」
「うちがベンケイどす。よしなに」
轟の王のヨシツネさんと、ベンケイさんが言って、あたしは大きく頭を下げた。

と、と、轟の王だよっ!
鵺みたいな近い存在が王だったって言っても、やっぱり王のレベルは次元が違うから、凄く緊張する。

でも、それでも。


「いい女になるんやて?」
「はいっ!・・・あの、すみません」
「?」

「私にとっては、重要なことでも、ヨシツネさんやベンケイさんにとっては、子どもの我侭だし」

それはわかってた。
それでも、あたしは、子どものままじゃいたくなかったから。

「迷惑になってしまいますけど、それでも宜しくお願いしますっ!!」

ぶん、っと音がするくらいに頭を下げた。
すると、ポンと頭の上に手が置かれる。

「よか。その心意気を買うたろうやないか」
「うちらの特訓は厳しいさかい、覚悟しや?」

顔を上げると、そこには笑う二人の顔があった。



「―――はいっ!」





One step to the future



( その心意気や、よしっ! )