「そう、それは良かったね」


あの後、色々(あたしが泣きやめなかったりとか、鵺に告白求めたら超赤面してたりとか)あったけど、何とか両思いになれた。
鵺は、「義務教育な間なのに・・・」って考え込んでたけど、手は出さなかったらいいでしょ!という妥協案で頷いてくれた。
(それもかなり不満があるんだけど)

そんなわけで、スピさんのところに、鵺と一緒に報告にやってきたというわけです。




「うん!」

「いやー、それにしても、鵺君がそんなに純情だったなんて」
キスくらいしてあげればいいのに。
「うっせぇ!」
クスクスと笑うスピさんに、鵺が怒って立ち上がった。
うんうん、スピさんの意見に一票。


ちゃんが鵺君のところに夜這いに行くって言ったときには、ついに食べられちゃうかと思ったんだけど・・・。鵺君の純粋さは予想外だったなぁ」


え。


あはははと笑うスピさんにあたしの頭は思考を停止した。

「・・・スピさん、知って、たの?」
鵺が、あたしのことを好きになってくれてたってこと。

「いや、見てて分かったって感じなんだけどね。鵺君分かりやすいし。それに、鵺君が言わなきゃ駄目なことだろうと思ってね」
許してくれるかい?とスピさんは凄くなんか、胸が高鳴るような仕草で首を傾げた。

くっ、な、なんか・・・一生叶わない気がする。




「あー!ちゃんだ!!!」
「へぶっ!!」
い、いたい・・・。

ベシャってつぶれたよ、つぶれた、うん。
後ろに飛びついてきたのは、あの・・・圭だった。


「うふふふふ!これって運命なのね!もしくは神様があたしに味方をしたのかしら!ほほほほほ!」
「キモいんだよ、レズ女!!!つーかがつぶれるだろ!触んな!!」
鵺が思いっきり圭を蹴った。


スピさんは、そんな二人を唖然としてみてた(うん、気持ちはわかる)。

「えーっと、あの子は?」

「鵺の、彼女疑惑だった人」

というと、スピさんは納得したように頷いた。


ちなみに、未だ喧嘩が続いていて、まるで男の子の喧嘩みたいに暴力連発だった。
本当なら、仲良いんだ・・・って疑うところなんだろうけど。


「あれは、絶対に彼女っていうか、恋愛は無さそうだね」


うん、あたしも・・・そう思うよ、スピさん。
思わず乾いた笑いが出た。



だって喧嘩の内容・・・、


「おほほほほ!さっきちゃんの胸触っちゃったー!」
「くっ!!この変態!ボケ!!」

「悔しいでしょ!悔しいでしょ!!触りたかったでしょ!!おーほっほっほっほ!!」
「うっ・・・!うっせぇレズ!」



あたしだし。





HAPPYENDは程遠い



( 両思いになれたのはいいけど、王子様のキスが無くちゃ物語は終わらないんだから! )