「やっぱ高校の制服着た程度じゃ駄目かな」 「実年齢の問題だと思うよ、」 また鵺の高校の制服に袖を通して(あ、ちゃんと家だからね!)言うと、ショウは呆れたように言った。 3年って長い。 3年も経たなきゃ手を出してもらえないなんて、かなり理不尽だっ! せめて、キスだけでもいいんだけどなぁ・・・。 「襲うしかないか・・・」 「不穏なセリフはかないでっ!!」 ちっと舌打ちして言うと、ショウが焦ったように叫んだ。 もう、冗談だってば・・・多分。 「でも、全然何もしてくれない鵺も酷いと思うんだ」 手を繋ぐぐらいだよ!手!! お前どこの小学生だよっていうんじゃあるまいし。 腕を組む、のはあたしが一方的にするだけだから駄目。 カウントはしない。 キスは絶対にしてくれない(義務教育が終わるまで待てって言う)。 やっぱり。 「襲うしかないか・・・」 「っ・・・」 一段と声を低くしたあたしに、ショウががっくりと項垂れた。 そのまま地面に陥没してしまいそうな勢いだったけど、とりあえず放置しておいた。 「やっぱり襲うなら鵺が一人の時がいいよね」 うんうん、皆が遊びに行ってるときが丁度いいかな。 「あとは縛るためのロープもね・・・って違う!!」 「あ、なるほどナーイス」 うんうん、確かに必要だよね、というと違う違う!とショウが叫んだ。 えー?ノったのはそっちが先じゃん。 「そうじゃなくて!・・・そういえば聞きたかったんだけど」 「何?」 突然手を顎に添えて考えるようなポーズをしたショウに、あたしは首を捻った。 「何でそんなにキスにこだわるのさ。鵺が嘘つくような人じゃないって知ってるよね?」 ぐ、とあたしは息を詰まらせた。 「それは、」 喉がヒクリと鳴る、俯いてじっと床を見た。 だってだって、怖い。 ずっとずっと一緒にいて、鵺が嘘つかない人なんてことは知ってるくらいに長い付き合いだから。 それこそ生まれたときからずっと一緒だから。 「あたしがずっと告白してるから、鵺が親馬鹿の大好きを恋愛感情に置いてくれたんじゃないかって」 ぐっと喉が詰まった。 「気持ちがあたしへの同情だったら、どうしようって・・・」 下唇を噛んだ。 |