「バカねーそんなのさっさと手を出しちゃえばいいことじゃない」 「お前に相談するんじゃ無かったよ」 目の前で楽しそうに言う圭に、鵺は深く溜息を吐いた。 何で俺の周りにはこんな奴等ばっかりなんだ。 「いーい?鵺」 ベシリと圭は鵺の頭を叩いた。 「んだよ」 「今ちゃんを不安にさせてんのはテメェだよ、ざけんなこの野郎」 鵺の眼が見開かれたのを見て、圭は楽しそうに笑った。 「あたしは同性愛要素もってる人間だけど、好きになった子には堂々と胸を張って言うよ。背徳感とかそんなもの気にしてて恋愛なんてできるもんですか」 オーライ? 半ば呆れ混じりに言う圭に、鵺がお、おうと頷いた。 「好きな女の子を不安にさせるけじめなんてけじめとは言わない!人間獣なんだから犯罪にならなきゃその思いのままに突っ走ってもいいのよ!つーわけでレッツゴー!さぁ、放課後だから走って来い!」 「は?」 「ちゃんのところに決まってるでしょ!いいからいけってのよ、このバカ鵺!」 ズボズボと靴を脱がされて、A・Tを履かされ、ドンっと窓から突き落とされた。 体制を直しながらも、窓で手を振る圭に苦笑して、家に向かった。 けじめっていう気持ちは変わってねぇけど。 はぁと鵺は大きく溜息を吐いた。 別に、キスするわけじゃないからな、うん。 不安だっつーから、その不安は違うんだって説得するだけだ。 内心で納得して、俺は家まで走った。 ガキ共は遊びに行ってるのか部屋はガランとしてて、の部屋だけ窓が開いていた。 「・・・」 名前を小さく呼んで、思考回路が停止した。 俯いて膝抱えてるがいて。 気付いたら腕を掴んでいて。 「!」 「ぬ、」 え、の音ごと全部飲み込んだ。 頭が真っ白だったのが、段々理解できてきて、至近距離にの顔があって。 「・・・(あれ、俺、ひょっとして・・・やっちまった?)」 「・・・」 目を皿のようにして驚いていると俺の口は、確実に、確実、に・・・。 い、いや・・・まて俺。違うんだ、違うんだ・・・。 そう、の不安は杞憂なんだって言いに来て、それで。 ゆっくりと唇が離れた。 |