俺は一つ心の中でルールをたてた。 義務教育卒業するまでは、絶対に何もいわねぇ。 だって、よく考えろ俺!相手はまだ小学生なんだぞ!? つーか、俺が卒業して高校生になっても、まだ相手は中学生だっつの!!なんつーか、俺のモラルが許せねぇ・・・。 そんな誓いを立ててから時間が経ち、俺は高校生になった。 未だに俺のことを好きでいてくれるには本当に敬服っつーかなんつーか(いや、勿論俺も好きなんだけどよ・・・)。 自分で決めたルールだけど、よく蛇の生殺し状態でよく頑張った、俺。 そんなある日、事件がおきた。 「おはよー、鵺」 教室に着くとひらひら手を振りながら圭がやってきた(こいつも暇だな、おい)。 「はよ」 短く返して、それからちょっと雑談をする。 「なー、社会と数学の宿題写させてくれねぇ?」 「またやってないのー?」 はぁ、と圭が溜息を吐いた。 「どうせ、ちゃんと一緒にいる時間優先しすぎて宿題忘れてたんでしょ。このちゃん大好き人間め」 「うっ!うるせぇよ!!」 なんでわかるんだよ、馬鹿女! 本当のことなので否定できないでいると、突然ドアが荒々しく開いて・・・。 「鵺!!!」 「しょ、ショウ!?」 な、な、なんでショウがここに居るんだよっ!!(しかも制服まで着てんじゃねぇか、おい!) 「な、なんでここ、」 「いいから早く来て!」 聞く暇もなくショウは俺のA・Tを掴むと走り出した。だーもう!何なんだよ一体!! 走り出すと後ろから圭もついてきやがった。絶対に面白がってるな、こいつ。 「お、おい!何でお前この学校の制服着てんだよ!」 お前学校はどうした、学校は!そんな俺の叫びなんてどうでもいいように切羽詰った声が返ってきた。 「そんなことどうでもいいよ!それよりも、が!」 「あ!?まで来てんのかよっ!」 いや、ショウが単体でこんなことするわけねぇって思ったけど、やっぱりも来てんのかよ。 「兎に角大変なんだ!が中庭に落ちちゃって、怖い顔した人たちに絡まれてて!」 そういうことは―――早く言えっ!!! 思いっきり走る速度を上げた(ああ、畜生、遅い!)。 ショウの差し出すまま走りながらA・Tを履いた(多分今しかできねぇ技だ)。 「鵺ファイトー!」 「うっせぇ圭!」 つーか、なんでてめぇついてきてんだよ!! 圭の後ろからの大声の声援なんか無視してA・Tで加速した。 「ここかっ!」 急いで角を曲がって・・・ああもう、言葉を失うってこういうことを言うんだな・・・。 「・・・・・・・?」 名前を呼ぶくらいしか出来なかった。 「おーほっほっほっほ!!100人抜きをしたあたしに敵うわけがないでしょっ!」 ああ、そういえばこいつ、関西の第二の女王候補・・・って呼ばれてたんだっけな・・・。 |