・・・やばい。今、俺何言った?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」


の顔が固まって、ああやっぱり言っちまったんだと思った。
何か、なさけねぇバレ方。

はそのまま固まったままで、俺は額を押さえた。


それから、1分くらいたって。



「はぁ!?」
「反応遅っ!!」

ずっと頭の中で処理してたのかよっ!


するとは突然ブツブツ言い出して、


「・・・・・・・・・・・鵺さん」
突然俯いたまま呟いた。

「(鵺さん!?)・・・なんだよ」
鵺さんって気持ち悪いな、おい。


「ひょっとしてあたし自惚れ王なんじゃないかって思うんだけど、それこそお前深読みしすぎだよってやつかもしれないけど、もしかしたらもしかしたら、ううん、もしかしなくても・・・鵺って、あたしのこと、好き?」


「・・・・・・・・・・そーだよ」

ああ、もう満足かよ。畜生恥ずかしいな、おい。
半ばふてくされるように言うと、の顔が一気に変わった。



「ふざけないでよっ!何それ!今まで散々不安にさせといて、その理由が義務教育中だから!?いい加減にしてよっ!」

「な!んなこと言ったって、中学生に手なんて出せるわけねぇだろ!」
けじめだっつの!お前、人がどれだけ我慢してんのかしらねぇくせしやがってっ!


「あたしを不安にさせるけじめなら捨てちゃえ馬鹿!ド阿呆!間抜け!鈍感!触角!」

おい待て、触角って何だ、触角って。

「おい、なんか今変なの入ってたぞ、おい!」


そうこう言い争っているうちに、突然が泣き出した。

「うぅうううううううううう、ちっくしょぉい!!」
「えぇえ!?泣くならもっと可愛く泣けよ!」
いや、可愛く泣くなんてらしくねぇっつーか、結構これでも可愛・・・じゃなくってっ!


「うぅうう、鵺の触角魔人〜、うぅうううう」
「泣き声に混ぜて変なこと言うな!」

だから、何で触角なんだよ。

ずっとは泣いたままで、こんなに不安にさせてたことに罪悪感が生まれてきた。


そりゃ、確かにけじめは譲れねぇけどちょっと可哀相だった・・・っていうか、何か俺最悪みたいだよな・・・。
いやいや、でもけじめは譲れねぇ!


考えていると、ぐずぐずと泣いていたが顔をあげた。


あーあ、まったく涙でぐしゃぐしゃじゃねぇか。
苦笑いして、その顔を拭こうとした瞬間・・・・・・。


俺は、の言葉に全ての動きを止めた。っつーか、止めざるをえなかったっつーか・・・。



「・・・ぬ、え。ちゃんと、告白して・・・?」


「え゛」


ちょっと、待て。





零れ落ちた愛の欠片



( 結局蓋なんて出来ずに、この思いが君へと溢れてしまったよ )